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		<title>4</title>

		<description>アムロは隠している気持ちを白日の下に晒…</description>
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			<![CDATA[ アムロは隠している気持ちを白日の下に晒されたような心地がした。<br>シャワーを浴びたばかりの背中に冷たい汗が流れていく。<br>「そ、そう？かな…？」<br>「ええ。兄さんも貴方といるとよく笑ってるし。人をからかって笑う兄さんなんて私初めて見たわ。だから、貴方達はお互いが特別なんだろうなって」<br>そう思ってるのよ、と微笑む妹に、黙って聞いていたシャアも冷汗が出る思いをしていた。<br>自分でも気付かない事実を何故こうも簡単に見抜くのか、妹の洞察力には目を見張る思いがする。<br>確かに自分はアムロをからかう時がある。反応が面白くて、ついからかってしまうのだ。<br>今迄そんな風に付き合った者が存在したかと言えば、辛うじて思い出すのはガルマくらいである。<br>だがガルマの場合は全て計算づくでの行動だったから、アムロとは似ても似つかない。<br>ということは。<br>（他とは違う絆があるということなのか…？）<br>幸いシャアは感情が外に出難い性格のため、赤面するような事態は免れたのだが、アムロは見事に真っ赤に染まっていた。<br>「あら。ご免なさいねアムロ。吃驚した？」<br>「や、その、何と言うか…言葉が見つからない」<br>益々赤くなるアムロを気の毒そうに見遣って、シャアはセイラを諌めた。<br>「アルテイシア、そんなに苛めるものではない。私よりお前の方がからかっていると思うが？」<br>「ふふ、だってこれは嫉妬ですもの。私がいない時に二人で仲良く呑んでたバツよ、甘んじて受けて欲しいわ、お二人さん」<br>今度は流石にシャアも顔を赤らめた。<br>「さて、ご馳走様。私もシャワー浴びて休むとするわね。片付けお願いしても良くて？」<br>「ああ…ゆっくり休むといい。静かにしているよ」<br>「ふふ、じゃあお休みなさい兄さん、アムロ。夕食は私が作るわね」<br>セイラはそう言って二人の頬にキスをして、自室へと引き上げた。<br>後に残ったシャアとアムロは、気まずい雰囲気を醸したまま残った朝食を無言で食べ終え、これまた無言で片付けていた…。<br>穏やかな日曜の朝が、妹の鋭すぎる指摘のお陰で、木枯らしの吹く真冬になってしまったようだった。<br><br><br><br>「アルテイシアはあんな性格だったか…？もっと優しかった筈だが…」<br>ぼそりと呟くシャアにアムロも同じように返す。<br>「きっと連邦にいたのが災いしてるんだと思うよ…あの頃のセイラさん、怒ると怖かったもんな…」<br>「怖かった…？確かに、知らなかったとは言え私にも毅然と銃を向けていた」<br>「うん、カイなんて怒鳴られて平手も喰らったって」<br>「怒鳴る…しかも平手？…信じられん！」<br>「いやホントだから。綺麗で優しくてたおやかな妹でいて欲しいって兄の心境は解るけど、一緒に闘ってた俺が言うんだから間違いない、うん」<br>「…」<br>シャアが家を捨ててから、セイラは一人で様々な事に耐えてきたのだろう。<br>二人きりの肉親なのに、復讐の為に傍で支える義務を捨てた自分には、セイラがどんなに変ろうと文句は言えなかった。<br>「アルテイシアには随分と辛い思いをさせたのだろうな、私は…」<br>自嘲気味に呟くシャアの肩をぽんと叩き、アムロはシャアを覗き込んだ。<br>「それは貴方も同じだろ？むしろ、孤独な闘いを１７年も続けた貴方の方が辛かったと俺は思うよ…だからもう言いっこなし」<br>空のような澄んだ青い目がくすんだ蒼に変っていた。<br>表情に出ない感情の代わりに、シャアの目が雄弁にそれを物語ることに気付いたのはいつだったか。<br>救った直後のくすんだ蒼が次第に澄んでいくのを見て、自分のしたことは正しかったと自信を持てたのは、ここ何ヶ月か前のことだ。<br>「ほら、笑ってみな？そんな沈んだ目してるとセイラさんが悲しむよ？勿論、俺もね」<br>おどけてしてみせたウインクが効を奏したのか、シャアが微かに笑った。<br>それは苦笑に近かったが、シャアの心を覆った雲を払うのには役に立ったようで、アムロは内心ほっとした。<br>「シャア、大人しくしてるからさ…仕事見ててもいいかな？貴方が軍人以外の仕事するのが珍しくて」<br>「見ても面白くはないだろうが…好きにしたまえ。それからさっきの話だが…厭でなければいつ此処に来ても構わない。私もアルテイシアも、そうしてくれればいいと思っているからな…嘘ではないよ」<br>仕事を取ってくる、と言い残して消えたシャアの後姿には、普段滅多に見る事の出来ない照れが漂っていた。<br>そんな姿を見られるのも、きっと自分だけなんだろうと、優越感に浸りきるアムロの表情は酷く緩んでいた。<br>UV加工の眼鏡を掛けて、キーボードをリズミカルに叩くくシャアの長い指を見ていたら、いつしか睡魔に捉われていた。<br>ハーフケットをかけてやると微かに笑った（ような気がした）。<br>その幸せそうな顔が童顔を更に幼く見せているようで、シャアはくすりと笑う。<br>弟のようでもあり友人でもあり、何故か恋人でもあるような、何とも形容し難い存在のアムロだが、シャアの中ではすっかり重要な位置に居座ってしまっていて、もうどこにも動かせない。<br>明るい居間ではテーブルにつっぷして昼寝するアムロと、眠気覚ましのコーヒーを飲みながら、部屋はどこにしようかと楽しい考えにふけるシャアがいた。<br> ]]>
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		<title>4</title>

		<description>「すまなかったな、アムロ。今のは狂犬に…</description>
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			<![CDATA[ <br>「すまなかったな、アムロ。今のは狂犬に咬まれたとでも思って忘れてくれ」<br>「…俺を愛していると言った言葉も忘れろと？」<br>「…そうしてくれれば有難い」<br>「嘘をつくな。貴方が心の奥で願っていることを、俺が解らないとでも思うのか？あんな…あんなキスしといて、感情滅茶苦茶放出してたくせに…っ！それも忘れろと言うのか！？」<br>「君は私の手を取りはしないだろう？望みのない相手をいつまでも追うほど、これからの私は暇ではない。ティターンズとの決戦は宇宙だ。アクシズの件もある。一刻も早く帰還しないと、ブライト艦長の胃痛も酷くなる一方だろうからな。<br>…今の内に、捨てられる感情は捨てておくべきだと判断したまでだ」<br>「貴方は…！偶に素直になったと思えば直ぐこれだ！何で欲しいものを欲しいと言わない！だから他人は解らなくて、貴方に無理難題ばかり押し付けるんだろう！嫌なら嫌だって、言ってもいいんだよシャア…！貴方だって只の人間で一人の男なんだから、人の温りを欲しがってもいいんだ…！貴方は感情を失くした殺人マシンなんかじゃない。ましてやMSでもない。人なんだから、我侭言ってもいいんだよ…。そんな悲しいこと俺に言うなよ…！」<br>「アムロ…気にすることはない。私は私の役割を演じるだけさ、死ぬまで独りでな。それが私の決められた運命なんだろう。だから君が傷つくことはないのだよ」<br>「俺じゃなくて、満身創痍なのはアンタだろッ！！自分で自分の傷抉るなよ…俺には見えるんだよ、貴方の傷が！さっきまでは解らなかったけど、今は解る。血が溢れて塞がらないんだ、何年経っても！その、悪かったよ、人身御供なんて茶化して…。好きでそういう境遇に生まれたわけじゃないんだよな…。俺だったら、貴方みたいに生きてはこれなかったと思う。途中で投げ出して、どっかで野垂れ死んでたと思う」<br>「それはない、アムロ。君は」<br>「いいから聞け。俺はね、貴方が普通の人みたいに誰かを愛してるって聞いて、正直ほっとした。ララァを忘れられないと思ってたから。ただそれが俺だってのは意外通り越して脳天にハンマー喰らったくらいに吃驚したけどね」<br>「それはすまない」<br>「うん、いいんだもう。…俺も、貴方に会って解ったから。必死で否定してたけどダメだった。貴方が先に言うから蓋が開いちまったんだ」<br>「アムロ…？」<br>「俺も、あの、その…。…何ていうか、貴方と同じだっていうか…あ、でも貴方ほどじゃないぞ！それは言っとくからな！」<br><br><br><br><br><br>しどろもどろの告白は、シャアを固まらせるに十分だった。<br>綺麗な目を見開いて、信じられないという表情が、次第に崩れて笑みに変わっていく。<br>ほっとしたような、あどけない笑顔がアムロの網膜一杯に広がる。<br>（こんなーーーこんな優しい顔で笑うんだーーー）<br>通路は徐々に暗さを増し、小さな常夜灯が灯り始める。<br>立ち尽くす二人を照らすのは、そのほのかな灯りだけになっていた。<br><br><br><br><br><br>「アムロ…一つ、私の我侭を聞いて貰えるだろうか」<br><br><br><br><br>沈黙を破ったのはシャアだった。<br>足許にグラスを置くと、シャアはアムロに歩み寄った。<br>頭半分は高いシャアが、目に笑いと期待を込めて覗き込んでくる。<br>悪い予感がした。<br>…そう、まるで赤い彗星がホワイトベースに近付いて来るときのような、背中がざわつく悪寒のようなもの。<br>じわりと身体に纏わり付く濃密は空気は、あの時以上にアムロを慄かせた。<br>（逃げたほうがいいような…逃げたくないような…どうする、俺！？）<br>一瞬の逡巡を見逃さず、シャアはアムロを腕の中に捉えて抱き締め、肉のない肩に顔を埋める。<br>金色の髪がアムロの口元に触れてくすぐったい。見た目と同じで柔らかい髪だった。<br>やがて、くぐもった声が洩れ聞こえてきた。<br><br><br><br><br><br><br>「１日早いが…私にプレゼントを贈ってはくれないか」<br>「…え？プレゼント？って…え？もしかして貴方、明日が誕生日…？」<br>「………」<br>「そうか…俺４日だったんだよ、知らなかったろ。で？いくつになったんだシャア？」<br><br><br><br><br>アムロの誕生日が4日なのは知っていた。<br>だがおめでとうを言おうにも、アムロはシャアを避けていて、近付くことすら出来なかったのだ。<br><br><br><br>「知っていたさ…でも君は私から逃げていたからな」<br>「…ゴメン」<br>「いいよ、君も訳が解らず苦しかったのだろう。私だって抑えるのに苦労した」<br>「だからか、あのプレッシャー！どうりでいつになく貴方が怖かった訳だ…」<br>「君はあの時まだ１５歳だったか。ふむ、２２か。２２歳、おめでとうアムロ。大分遅れたが」<br>「いいよそんなの。貴方はあの時いくつだったんだ？」<br>「２０歳だ」<br>「はぁ、２０歳であの落ち着きね…育った環境は恐ろしいね。そうすると、明日で２７歳か」<br>「ああ。カミーユとは１０歳も違う。歳をとった」<br>「２７くらいで何言ってんだよ、まだまだ若いだろう。なのに、その若さで背負うものは馬鹿でかくて重いんだよな…」<br>「…仕方ない」<br>「俺は半分持ってやれないけど…倒れそうになったら支えてやるし、その、寒かったら温めてやるから…」<br>「それは心だけか？身体も付随してくるのかね？」<br>「…馬鹿野郎。両方だよ、態々言わせるな」<br>「ありがとう、アムロ。何よりの贈り物だ」<br>「馬鹿だな、貴方は…言葉だけでいいのか？俺は寧ろその方が助かるけどさ」<br>「ああ、成る程そういうことか。まぁ期待はしたいがそれほど楽天家ではないのでね…。多少悲観的な方が、土壇場で逃げられるよりもマシというものだよ」<br>「押しが強いんだか弱いんだか…複雑怪奇な性格してるよ、ホント」<br>「お褒めに預かって光栄だ」<br>「褒めてるんじゃない、貶してるんだ。でもいいや、そういう貴方を見るのは新鮮だから。……シャア」<br>「ん？」<br>「２７歳おめでとう、シャア」<br><br><br><br><br><br>シャアの両頬を掌で包みこんで自分に近づけると、静かに口付けた。<br>アムロの腰に回された腕に力が入り、ぐっと抱き寄せられる。<br>同じ様に、アムロもシャアの背に回した両手に力をこめ、抱擁に応えた。<br><br><br><br><br><br><br>「ありがとう。愛しているよ、アムロ」<br>「うん、俺も…あ、い、してるよ、シャア」<br><br><br><br><br>アウドムラの通路の陰で重なり合った二つの陰は、やがて人知れずどちらかの部屋へと吸い込まれて行った。<br><br><br><br> ]]>
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		<title>04</title>

		<description>「それでも君を愛すだろう」随分長い回り…</description>
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			<![CDATA[ 「それでも君を愛すだろう」<br><br><br><br><br><br>随分長い回り道をしたものだ。<br>自分の気持ちを偽らず、最初から本音をぶつけていたら、もっと早く私に応えてくれたのだろうか。<br>だが、これまでのことがあるから、今が幸せだと思えるのだろう。<br>君が私の手を取ってくれたことを、心の底から感謝できるのだろう。<br>私は誰も愛せない、その資格があるとも思っていなかった。<br>なんと味気ない人生を送っていたのだろうな…。<br>だから失って初めて、ララァの大切さを思い知らされたのだ。<br>才能を愛しているとは言ったが、彼女自身を愛していたことに気付かなかった私は、なんと傲慢で愚かだったことか。<br>あの時は本当に君を憎んでいた。いつか必ず、この手で殺すと誓っていた。<br>だがそれも、よく考えてみればお門違いでしかない。<br>全ては私自身が悪いのだから。<br>君を殺すことが出来なかったのは、恐らくあの頃から君を愛していたからだろう。<br>初めて君と出会ったあの日、私を見て逃げるように去っていった君は、幼さの残るほんの少年だった。<br>それから幾度もMS越しに対決し、どうしても撃ち落とせなかった唯一の存在。<br>同士になれと延ばした手を払われた時、私がどんなに気落ちしたか、君は知らないだろう？<br>戦争が終り、私の復讐も終わりを告げた時、真っ先に思いを馳せたのは君のことだった。<br>持てる手駒を総動員して、それこそ何年も君を探したのだよ。<br>存在自体が無かったかのように君の消息は途絶え、なのに私の中の無意識は君の存在を確かに感じていた。<br>地球に降下して、思いもかけず君と再会を果たした時に、私は身が震える思いだった。<br>生きていた、生きていてくれたと、酷く安堵したものだ。<br>なのに君は、私を意識しすぎてか素っ気なくていつだって喧嘩腰で。<br>非常に残念に思ったものだ。<br>だがな、あのダカールで君が私を送り、迎えにきてくれたことと、宇宙に戻る際に君が援護してくれたこと、とても嬉しかったのだよ。<br>『護ってみせる』と叫んだ君を、抱き締めたいくらいだった。<br>どうしても一緒に戦いたかった。<br>広大な宇宙の中、私の傍でMSを駆る君を見ていたかった。<br>はからずしもそれは叶わなかったが、真正面の敵として再び合まみえることには成功した。<br>本当は、総帥などどうでも良かったのだ。<br>私の願いは只一つ、君と宇宙でMSを駆っていたかったのだから。<br>私が望むもの全てが私には縁の無いものと知った時、私は君に討たれることを選んだ。<br>手に入らないのなら、生きていても仕方がない。<br>望まずに道化を演じ続けなければならない世界になど、用はない。<br>サザビーすらも惜しいとは思わなかった。<br>ただひたすら、君に討たれることを望んでいた。<br>なのに君は。<br>怒りながらも私を救ってくれたのだ。<br>生きて再び君に逢えるとは思いもしなかったから、これはなんと都合のいい夢かと苦笑を禁じ得なかった。<br>そして君を愛していると自覚した時、くすんでいた世界が色彩を取り戻したようだった。<br>冷たく暗い洞窟から、暖かく日当りの良い場所に出てこれたような気持ちがした。<br>私の好きな、星の煌めく宇宙に漂っているような気がした。<br>愛憎とは表裏一体というが、本当だったな。<br>こうした穏やかな生活を夢見たことは一度もなかったのだが…今はもう失うのが怖くて堪らない。<br>君が居なくなってしまったらと考えると、怖くて夜も眠れない。<br>君が傍に居てくれればそれだけで安心でき、温もりを全身で感じると鳥肌が立つ程嬉しいのだ。<br>正直言って、こんなに独占欲が強いとは思っていなかったんだが…<br>もし君が、動けない体になったとしても私は君を放さない。<br>どんな姿になったとしても、だ。<br>懇願されても、脅されても、私は絶対に君の手を放さないから覚悟しておくのだな。<br>君は私が初めて、心の底から欲しいと思った人だから。<br>例え憎まれようとも、君が存在してくれるのならば。<br>私は君を愛することを止めないだろう。<br>そしてアムロ。<br>私に応えてくれてありがとう。<br>私を愛してくれて、ありがとう。<br><br><br><br><br><br><br><br>赤→白<br>二人で迎えた朝、白の寝顔を見ながら思うこと。相変わらずウチのシャア様は甘甘なので、起きた白さんの為に朝食を運んであげるんですよ(笑)。<br>甘やかし過ぎだよ、シャア様！<br><br> ]]>
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		<title>3</title>

		<description>「…なんでそんなに強いのさ」「さあ、何故…</description>
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			<![CDATA[ 「…なんでそんなに強いのさ」<br>「さあ、何故だろうな。私にも解らんよ」<br>もう何本空けているか。<br>男二人とくればワインなんてお上品なものでなく、ウィスキーやバーボン、ジン、テキーラ、ウォッカといった度数の高いものにいくのだが、<br>シャアはいくら呑んでも酔わなかった。<br>白皙の面には一筋の朱も昇らず、行動も言葉も普段と全く変らない。<br>これではセイラに叱られるのは自分一人になりそうだ、と暗い思いに支配されたアムロは、早々に意識を飛ばすことにした。<br>「も、駄目。眠い…今日泊めて…」<br>「おい、こら。アムロ、肩を貸すから寝るなら部屋へ行け。こんなところで眠るな」<br>「う～…ここで、いい…」<br>そう呟いたきり、どんなに揺り動かしても起きてはくれなかった。熟睡しきったアムロを見下ろし、シャアは深い溜息をつく。<br>「結構弱いのだな…」<br>数えた空き瓶は５本。内２本は確実にアムロが空けていたが、最後のウォッカが効いたらしく、ウンともスンとも言わない。<br>泥のように眠っていた。<br>この泥酔した大の男を担いで部屋に連れて行くのかと思うと、いくらシャアでもうんざりした。<br>シャアより小さいからそれ程重くはないだろうが、意識のない人間は女性でもかなり重いものだ。<br>「いつまでもこうしていては風邪を引くな。…仕方がない」<br>テーブルに突っ伏したアムロを両肩に担ぎ上げる。思った程重くはなく、幾分ほっとする。これなら担いで行ける。<br>一階には客間が二部屋あり、手前の客間のドアを開けると、月明かりの差し込むベッドにアムロを下した。<br>取敢えずセーターを脱がせ、靴と靴下を脱がせ、そのまま毛布を掛けてやる。<br>流石にベルトまで外してやろうとは思えなかった。<br>潜り込むように毛布に包まるアムロに苦笑を零し、静かにカーテンを引くと振り返る。<br>クセっ毛をくしゃりと撫で、こんもりと盛り上がる毛布をポンポンと軽く叩き、僅かに覗く寝顔を見つめる。<br>昔から童顔の所為か、３０代に差しかかろうとしても若く見える。あどけない寝顔はまだ２０歳そこそこの青年のようだ。<br>自分に脅えていた少年兵が自分を相手に１年戦争を闘い抜き、その後のグリプス戦役でMSパイロットとして復活し、自分のおこしたネオ・ジオン戦争に勝った。<br>死に逝く運命だっただろう自分を救い、雁字搦めの鎖から解放してくれたアムロを、何時の間にかシャアは愛しく思い始めていた。<br>そっと身を屈めたシャアは、アムロのクセっ毛の髪に口付けを落とす。<br>「お休み、アムロ。良い夢を」<br>低く優しい声で囁き、静かに部屋を出て行った。<br>居間に戻ったシャアは、空き瓶やグラス、食器を片付け、自室へと引き上げた。<br>シャワーを浴びて戻ると時計は既に３時を回っており、仕事にしている航空学生向け参考書の翻訳は諦めた。<br>横になれば直ぐに睡魔は訪れ、アムロと同じように、シャアも泥沼に落ちるように眠りについた。<br>翌日。<br>ボサボサの頭で起きてきたアムロにシャワーを奨め、３人分の朝食を用意し終わったところにセイラが帰ってきた。<br>「お帰り、アルテイシア。食事が出来たところだ、食べるだろう？」<br>「ただいま兄さん。今朝は何？あら、３人分？アムロがいるのね？」<br>「ご名答。今シャワーを使っている。戻ったら食べよう」<br>「ええ、着替えて来るわね」<br>それから１０分後、３人は明るい日差しの満ちる食卓を囲んでいた。<br>「おはようアムロ。宿酔いは大丈夫？」<br>「おはようセイラさん。大丈夫みたいだよ。それにしてもシャアは強いね、日本語で言えば笊とかうわばみの類だ」<br>「笊はまだしも、うわばみでは妖怪ではないか。紅茶とコーヒー、オレンジのどれにする？」<br>すかさず抗議するシャアにアムロは目を丸くする。見かけはアングロ・サクソン系か北欧系なのに、まさかうわばみを知っているとは。<br>「シャア、うわばみ解るんだ？どれだけ博識なんだよ貴方は。ジュースで頼むよ」<br>「辞書を引く回数が増えたからな、仕事そっちのけで読んでしまうのだよ。蜂蜜は？」<br>「え、って辞書を？パソコンで調べるんじゃなく読むの？頂戴」<br>「ああ。なかなか面白い。君も読んでみたまえ、雑学が増えるぞ。ほら」<br>シャアの意外な趣味に目を丸くしつつも、しっかり口は動かすアムロだった。<br>「ちょっと貴方達。自分がどういう会話してるか自覚していて？ギャップが凄いわよ？」<br>「え、そう？でもいいね、此処は。何時来ても綺麗に片付いてて飯も美味くて。いっそのこと引っ越して来たいよ」<br>「あら、そうしたらいいじゃない？私は構わないわよ、ねえ兄さん」<br>「ああ。部屋は空いているしな」<br>何とも甘美な申し出だが、シャアは兎も角セイラまでがそんな簡単に許可していいのだろうか、という疑問が残る。<br>（一応俺、成人男性なんですけど…）<br>「いやでも、女性もいる家に簡単に引っ越せないでしょ。いくら何でも」<br>「「大丈夫」よ」<br>即答する兄と妹に眩暈がする。自分は男に見られていないのではないか、と不安になる。<br>「…信用してくれるのは嬉しいんだけど、俺も一応生身の男なんで…それ解ってる？セイラさん…」<br>「ええ勿論。それがどうかして？私一人ではなく兄さんもいるし、貴方は兄さんと一緒に居る方が楽しそうだわ」<br>…恐るべしダイクン兄妹。何故にこうも聡いのだろうか。<br> ]]>
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		<title>3</title>

		<description>（シャアのお母さん、俺にも貴女の名前を…</description>
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			<![CDATA[ （シャアのお母さん、俺にも貴女の名前を呼び捨てることを許して下さい…。シャアがこれ以上傷つかないように、俺が護りますから）<br>アムロとシャアに挟まれる形になったアストライアが「ワン！」と一声吼えた。<br>アムロには、それが許しの返事のように聞こえていた。<br><br><br><br><br><br><br>（お母さん、貴女の名前をつけることを許して下さい。貴女の不肖の息子は、本懐を遂げられずにこうして生き延びていますが、今はそれを悔やんではいません。今更貴方のキャスバルには戻れないけれど、貴女の息子であることを忘れないように、貴女の名前を呼びましょう。それくらいしかしてあげられない愚かな息子を、どうか許して下さい）<br><br><br><br><br>…母の名を呼ぶことは、シャアにとっての贖罪なのかもしれなかった。<br><br><br><br><br><br><br><br><br>シャアとセイラの家に小さなメンバーが加わって一ヶ月、シャアはアストライアを我が子のように可愛がっていた。<br>シャアの足許にはいつもアストライアが居る。<br>大分大きくなった彼女は、シャアと転げ回って遊ぶのが大好きなお転婆な女の子。<br>『まるで小さな頃のアルテイシアのようだ』と、目を細める兄の姿に、当の本人は苦笑を禁じえなかった。<br>食事もシャアの足許で食べ、シャワーの間はドアの外で待っている。<br>眠る時もシャアのベッドの下で、セイラ特製のクッションをベッドにして眠る。<br>一度、アムロが親子のようだとからかうと、<br>「勿論、私の娘だ。マザコンでシスコンの男は、女性を幸せには出来ないから丁度いいだろう」<br>という、にこやかな答えが返って来た。<br>悪いこと言ったかな、と反省すれば、<br>「私には、アルテイシアとアストライアと君がいれば過ぎた幸せだよ」<br>と綺麗に微笑まれ、項まで真っ赤になったアムロがいたとかいないとか。<br><br><br><br><br><br><br><br><br>ーーーそして時々、アムロとアストライアが、シャアを取り合って取っ組み合いの喧嘩をするようになるのは、もう少し先のお話。<br><br> ]]>
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		<title>3</title>

		<description>「アムロ。そういう可愛い顔は私以外に見…</description>
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			<![CDATA[ 「アムロ。そういう可愛い顔は私以外に見せないで貰いたいが、承知か？」<br>「…え…？」<br>「君は人は変わっていくと言った。ならば、私の気持ちが変化したのも許してくれるのだろう？」<br>「な…何を…？シャア、」<br>「私達は憎みあってきた。殺そうとして刃を向け銃を向けてきた。だが…ここで君に再会して憎しみがなくなった。あるのは…」<br>「あ、あるのは…？い、いや、やっぱり言わなくていい…！」<br><br><br><br>正直、アムロは聞きたくなかった。<br>自分が気付かずにやり過ごそうとしていた感情を、先にシャアが暴き出しそうだったから。<br>目を背け、視界にシャアを入れないことで、自分の気持ちに蓋をしてきたことが、無駄な努力になりそうだった。<br><br><br><br><br><br>「私には君が必要だということだ、アムロ。私を避けていた君がディジェで送ると言ってくれた時、どれほど嬉しかったか君には解るまい。このまま宇宙に連れて還りたい、ダカールなどどうでもいいとさえ思った。ずっと君の行方を捜していたのは何故なのか。どうしてここまで君を追うのか、自分でも解らなかった。だが漸く、君を目の前にして漸く解った。私が君に抱いていたのは、執着ではなく恋着だ。アムロ。私はどうやら君を愛しているらしい」<br><br><br><br><br>これを聞かされたのが女性だったら、即座に落ちただろう。<br>容姿端麗、頭脳明晰。美貌も才能も有り余る男から、熱烈な愛の告白をされて、靡かない女性はいないと思われた。<br>だがアムロは生憎男性だった。<br>相手と同じ感情を抱いているとはいえ、ここまで素直に打ち明けられる性格ではない。<br>ただし悪い気はしない。むしろ嬉しいとさえ思ったのだが、口から出たのは反対の言葉だった。<br><br><br><br><br>「な、何馬鹿なこと言ってんだよ、シャア！貴方ともあろう人が！貴方はこれからエゥーゴを率いていかなきゃなんないんだぞ？！エゥーゴだけじゃない、カラバも、俺達に賛同する全てのスペースノイドの希望にならなきゃなんないんだ、解ってんのか！？」<br>「解っているとも…私個人の希望は全て無視され、公人としてのみ存在させられる。謀らずとも私は父の敷いたレールの上に、臨まずに押し上げられた幸運な継承者というわけだ。それがどんなに茨の道だろうと、決して降りることは出来ない…そういうレールの上にな」<br>「そんな辛いことじゃないだろう！貴方は父上の跡を継ぐのがそんなに嫌なのか！？」<br>「君に解るのか？私の幼少時は父を殺され逃亡に明け暮れた。少年時代は来る日も来る日も復讐を刷り込まれた。最愛の母をも奪われ、養父とアルテイシアを捨て、自分を捨て、ジオンの士官学校に入ったのは17の時。父を殺し母を軟禁し死に至らしめたザビ家への復讐のためだ。赤い彗星などと謳われた私は、首尾よくガルマを謀殺し、キシリアを手にかけジオン公国を壊滅させた。これで復讐は終ったが、かわりにララァを失った。ララァと出会うまでの私は復讐の鬼でしかなかった。だが、彼女の力を目の当たりにして、私は人の革新をこの目で見たいと思うようになっていった。そのララァを失い、私は変わりに君を求めた。ララァの仇でもある君をな！こっぴどく振られたが、もし君が傍に居てくれたら、それが見れると思ったのだよ。それが君の為でもあると思えた。連邦の所業を見れば、実際そうだっただろう？その後、アクシズに身を寄せても私は独りだった。ララァも君もいない。慕ってくれる者はいたが、思想が合わない。私は…何もかも捨て去って一人のパイロットでありたかった。だから戻ったのだ、あのアステロイド・ベルトから！しがらみも何もかも捨てて、ただMSを駆っていたいと思うのは、私の我儘なのか？たった一つの望みも私は求められないのか？<br>…エゥーゴに参加したのは、ティターンズのやり方がジオンと同じだったからだ。ジオンを潰した私が、別のジオンに居場所を求めるわけがない。エゥーゴは居心地が良かった。階級はあってないようなもの、自由で、無能で横柄な上官もいない。初めて、ここに居たいと思えたのだよ…だがそれもうまくはいかなかった。私に流れる血の所為なのか？私の望むものは全て手から零れ落ちる。欲しいと願う人も手に入らない。私に残るのは…したくもない役割だけだ。私はその役割を演じる為だけに存在する、大根役者の生贄でしかない。…アムロ。私には…人身御供には、寒いときに暖めあえる相手すら、望んではいけないことなのか」<br><br><br><br><br>ある程度は知っていたシャアの過去が、これほど愛情に飢えたものだったとは、流石にアムロも気が付かなかった。<br>アムロには、傍に居てくれはしなかったが、父も母も生きていた。<br>面倒臭かったが、フラウ・ボゥというおせっかいなお隣さんとその家族が、アムロに愛情を振り向けてくれた。<br>ガンダムに乗ってホワイトベースに乗って、同年代の少年兵等と喧嘩しながらも心配したりされたりして、家族や友人、大切な人を護ることの意味を知っていった戦いの日々。<br>目の前に佇む、恐ろしかった敵と戦って、大事な人を失った悲しみ。<br>その多感な少年時代を、シャアは全て復讐の為だけに費やして来たのだ。<br>思いを寄せられることも多々あったろう。だが頼れるのは自分だけの状況下では、利用こそすれそんな甘い感傷に現を抜かす男でないのは、アムロにも十分理解できた。<br>目的の為なら手段を選ばず、チャンスは最大限に生かすのがシャア・アズナブルだから。<br>その男の心が、欲しいと叫んでいたのは、理解しあえる人の愛情と温り。<br>子供ならば与えられて当然の愛情を、無残にも途中で奪われたシャアとセイラ。<br>責任感が強い少年は、何歳のときに修羅の心を持ったのだろう。<br>それは恐らく、普通の子供ならば悪戯や遊びに夢中になっていた頃なのだろう。<br>見渡す限り敵だらけ、味方も援軍もない孤独な戦争を戦い抜いた男が、たった一つ望んだものが自分だったとは…。<br>アムロに背を向けたシャアは、じっと暮れなずむ空を見つめている。<br>手元のグラスは空になっている。長い告白をした後、一気に呷ったのだろう。<br>防弾の特殊ガラスが嵌めこまれた窓からは、下方から日の光が差し込んでいる。<br>もう直ぐ地上では日が暮れる。人工の日暮れではない本当の日暮れが、アウドムラの艦内を柔らかく照らしていた。<br>やがて空も青から紺へ、ゆっくりと姿を変えていく。<br>そのずっと上空には、重力が作用しない宇宙空間が広がっている。<br>シャアは、早くあの漆黒の海に還りたいと思った。重力がこんなにも感傷的にさせるのだと、自分に言い聞かせていた。<br>（アーガマに戻り百式を疾駆させれば、直ぐに忘れるだろうさ…私が居たいと願うのは戦場だからな…）<br>苦笑が浮かぶ。<br>誰が何と言おうと、又自分をどう客観視しようと、それは事実だった。<br>パイロットに固執するのもそれが故であり、ジオンの後継者を名乗りたくないのも、それが故だから。<br>シャアはひとつ頭を振ると、踵を返した。<br>反対側の壁に背を預け、自分を見ていたアムロに視線を向けることなく、脇を通り過ぎようとした。<br> ]]>
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		<title>3</title>

		<description>（私は自由、か…。もう無理して心を偽るこ…</description>
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			<![CDATA[ （私は自由、か…。もう無理して心を偽ることも、道化を演じる事も、したくない事をしなくてもいいのか。思うように生きていいのか。エゥーゴの後継者になどなりたくなかった。面倒なだけの政治介入もしたくなかった。私は…只のMSパイロットで居たかったのだ、本当は。ヘンケンやブライトの下で、アムロやカミーユ、ファやエマと共に戦っていたかったのだ。何もかも失って、やっと＜自分＞が手に入るなど、皮肉なものだな…。否、全て失くしたわけではない。<br>此処にはアムロがいる。どんなに手を延ばしても決して道が交わることのなかった、手の届かなかった至宝の存在だけは、こうして傍に残して貰えたのだから…）<br>手を引くセイラとその先に見えるアムロには、優しい笑顔が浮かんでいる。<br>ずっと、どうやって贖罪すればいいのかと悩んでいた。<br>地球を、そこに暮す人々を、地球の汚染を防ぐ為という大義名分の下に、粛清しようとした愚かな自分をどうやって罰せばいいのか…<br>嘗てティターンズの悪行に心底憤り、自己を封じてまで世に知らしめたあの頃の自分が、どこをどう間違えば、人間が人間を裁くなどという傲慢な考えに行き着くのか。果たされていれば、確実に後の世で自分は独裁者、稀代の極悪人になっていただろう。<br>確かに自分は地球の未来を案じていた。だが同時にそれを食い止める人の革新と可能性を信じてもいた。<br>なのにそれを僅か数年で、真っ向から打ち砕こうとしたのもまた自分だった。<br>本来ならアクシズと共に業火に焼かれ、消滅する運命だった自分が、アムロのお陰で生き延び、セイラの助力を得て手に入れたこの穏やかで幸せな生活も、いつしか自分の業で失うだろうと心のどこかで恐れ、諦めていた。<br>なによりも、たった一人の妹だけは、決して自分を許しはしないだろうと。<br>でもそれはシャア一人の勝手な妄想でしかなかった。<br>アムロもセイラも、シャアにとって一番身近で己以上に大切な二人は、とっくにシャアを赦してくれていたのだから。<br>（ここには、私に取り入ろうとする輩も利用しようとする輩もいない。いるのはそのままの私を受け入れてくれるアルテイシアとアムロ。私が人を傷つけることも、人から傷つけられることも嫌悪し、身を挺して護ろうとしてくれる二人だけだ。私には…アルテイシアとアムロを悲しませるような事は、もう二度と出来はしまいよ。この二人を失えば、今度こそ私は命を捨てるだろう）<br><br><br>着替えもしていないシャアは草臥れた格好をしていたが、その表情には宿酔いの翳はなく、どこかすっきりしたような吹っ切れたような清々しさを纏っていた。<br>朝日を浴びて光を弾くその金髪のように、真冬の澄み切った青空を思わせるアイスブルーの瞳のように。<br>（なんか、シャアが眩しい、ような…）<br>こしこしと目を擦ってみるが、逆光もあって眩しさが消えない。<br>余程不思議そうな顔をしていたのだろう、シャアが小首を傾げてこちらを見ている。<br><br>「アムロ？目をどうかしたのか」<br><br>（ああ、なんでそんな綺麗に笑うかなぁ、もう！頼むから、外で誰彼構わず笑顔振りまかないでくれよな！ある意味犯罪だよソレ！）<br>僅かに赤くなったアムロの心の内を読んだのか、セイラがくすりと笑う。<br><br>「兄さんの笑顔は門外不出ですって。そう言いたいんでしょう？アムロ」<br>「はぁ？」<br><br>（ああ。まさかシャアの酢頓狂な声を聞ける日が来ようとは、流石の俺も考え付かなかったよ、セイラさん）<br>（そうね、でも…これからちょくちょく聞けるかもしれなくてよ？）<br>目で問いかけたアムロに、セイラも目で応える。きちんと伝わっていたのが不思議だった。<br><br>「さ、二人とも食事の前に顔だけでも洗って下さるかしら。どうやら宿酔いは無いみたいだし、気持ちよく食事しましょう。後は私がするわ」<br><br>セイラに有無を言わさず促され洗面所に向うシャアとアムロは、心の中で囁きあっていた。<br>（絶対、頭上がんないよな、セイラさんに）<br>（ああ。誰にでも優しかったアルテイシアが…何であんなに怖くなったものか…）<br>（そりゃあ勿論貴方の所為に決まってるだろ。自業自得だよ、シャア）<br>（……やはり、君もそう思うかね……？）<br><br>「何か言って？」<br><br>キッチンからセイラの声が聞こえてくる。<br><br>「「いえ、何も言ってません！」」<br><br>同じタイミングで同じ言葉を返し、（心の中だけの会話すら出来ないなんて、NTとは結構不便なものだな…）と、顔を見合わせて同時に溜息をつく二人だった。<br><br><br><br>この日以降、シャアが鬱状態に陥り、二人を心配させる事は無くなった。<br><br><br><br><br><br><br><br><br><<後書＆言い訳>><br>以前書いたまま放置してたものの加筆修正です。当初は笑い話にする心算が、何故かシリアステイストが加わる管理人の悪い癖。<br>性格的にお笑い要素は薄いのか、ノリが悪いのか。多分天然で、へんなとこが可笑しいのはシャアと同じだろうと思います(笑)。蠍座だし誕生日二日しか違わないしねぇ。<br>この時系列はワンコが来る前、です。元気になったシャアは、愛娘を飼育することで本来の自分を取り戻していくんですよ～。<br>シャアの印象が柔らかくなるにつれて知人や友人が増え、市井で暮す人々に受け入れられていくといいな。<br>二人とも持ち前の行動力と才能を如何なく発揮して、なくてはならない存在になってたりしてね。街の人々がシャアとアムロを護る砦になっていったり…と、妄想だけは膨らんでいく管理人の脳ミソを、何方か叱ってやって下さい。<br> ]]>
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		<title>03</title>

		<description>「この心に手を延ばして連れ去って」自分…</description>
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			<![CDATA[ 「この心に手を延ばして連れ去って」<br><br><br><br><br>自分の感情が”恋”というものらしいと気がついたのは、貴方が眠っている時だった。<br>大した怪我もないのに意識だけが戻らなくて、このままもう、二度と眼を覚ましてくれないのかと不安だった。<br>その何日か前までは、殺し合いを演じていたのにね。<br>あの時は本気で貴方を殺そうと思った。<br>貴方を道連れに出来るなんて、俺くらいのものだろう？<br>でも実際にその場面になったら、貴方を失うことが急に恐ろしくなったんだよ。<br>夜空に輝く月の様な金髪も、青い氷河を写したようなアイスブルーの瞳も、長い手脚もすらりとした身体も。<br>貴方を構築する全てのものが、跡形も無く消えてしまうと思ったら。<br>頭で考えるよりも先に行動していた。<br>アクシズに押し付けたポッドをガンダムの両手で包み込み、その上から覆いかぶさって。<br>大切なものを護るように、二重三重に貴方を包み込んで。<br>それはきっと、母親が胎内に宿る小さな我が子を護るような姿だったろう。<br>自分の全てをかけて、命をかけても護りたい。<br>あの時俺は、確かにそう考えていた。<br>貴方は立派な大人の男なのにね。<br>でも俺には、泣いている貴方の心が見えた。<br>たった独りで闘ってきた、貴方の心の叫びが見えた気がした。<br>…ごめんよ。<br>俺は子供だったから、貴方の本当の気持ちに気付いてやれず、何度もその手を払い除けた。<br>その代償が、俺に撃ち落とされることだったなんて。<br>ホント、貴方は物凄く頭脳明晰なのに、時々とんでもなく馬鹿だよね。<br>…俺も人のこと言えない馬鹿だけどさ。<br>二人で一緒に馬鹿ならそれもいいか。<br>なぁ、シャア。<br>俺は後悔してないよ。<br>例え周りから非難されようとも、貴方の傍にいるよ。<br>貴方と一緒なら、どこででも生きていけるよ。<br>セイラさんに反対されたらきっと落ち込むだろうけど、その時は貴方がなぐさめてくれよ。<br>口で言わなくとも、その広い背中でかばってくれるだろうけどさ。<br>吃驚するだろうね。<br>あ、でも貴方と違って鋭いから、とっくに気付いてるかもしれないな。<br>どっちにしろ、明日の朝は気まずい兄妹対決だ。<br>負けるなよ…？<br>…ああ、貴方の幸せそうな、無防備な寝顔見てたら俺も眠くなってきた…<br>おやすみ、シャア。いい夢を。<br>でも、頼むから朝ご飯はここに運んでくれよな…<br><br><br><br><br><br><br><br>白→赤（気分的に）<br>やっと結ばれた二人というシチュで、甘甘。赤の寝顔を見つめながら白が思うこと。02と繋がっていそうですが、紆余曲折を経て二人で暮し始めてからのお話です。 ]]>
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		<title>3</title>

		<description>「兄さん！キャスバル兄さん！！」自分と…</description>
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			<![CDATA[ 「兄さん！キャスバル兄さん！！」<br><br>自分と同じハニーブロンドの髪が揺れて、シャアの頬を擽る。<br>抱きとめたセイラの肩が微かに震えていて、顔は見えなくとも泣いているのだと解った。<br>自分の胸の中で声を出さずに泣く妹。<br>号泣出来ないほど自分は心配をかけていたのだと思うと、胸が痛くなった。<br>なのに、顔も名前も思い出せない自分が不甲斐無く、シャアは初めて記憶喪失である自分を呪った。<br><br>「…私は、君を何と呼んでいた？セイラ？それとも」<br>「…アルテイシア、よ。兄さん」<br><br>出来うる限り優しい声音で恐る恐る尋ねてみれば、セイラは泣き濡れた顔を上げて自分を見上げてきた。<br>彼女は、鏡に映した自分とよく似ていた。<br>髪の色も、空を映した蒼い眼も自分と同じもので、誰が見ても自分達は血が繋がっていると解るだろう。<br>切れ長の眼から大きな涙が零れ落ちる。<br>シャアはそっと指先でそれを拭い、柔らかな髪を指に絡めた。<br><br>「兄さん？」<br>「アルテイシア…本当に私に似ているのだな。アムロ君に聞いてはいたが…初めましてと言うべきか、ただいまと言うべきか、どちらがいいのだろう？」<br>「ただいま、に決まっているでしょう？何年会っていないと思って？生死不明・行方不明になって14年よ、兄さん…コロニーで私を置いて行ってからは17年にもなるのよ…？その間、何度死んだと聞かされたか知れないわ。両親もなくたった一人の肉親なのに…いつだって兄さんは私を置き去りにしてきたんですからね、もう絶対逃がさないんだから…そして今度は、私が兄さんに沢山心配掛けてあげるんだから…！」<br><br>そう言って、セイラは笑みを浮かべた。<br>それは泣き笑いにしかならなかったが、シャアにもアムロにも綺麗な笑顔に感じられた。<br><br>「すまなかった、アルテイシア」<br>「もう一言、足りないわ」<br>「……た、だいま」<br>「お帰りなさい兄さん。ずっとずっと待っていたわ」<br><br>何となく、昔泣いている女の子をこうして抱き締めたように思えて、シャアはセイラをそっと抱き締めた。<br>甘えるように胸に縋るセイラの髪を、シャアは愛しげに何度も撫でていた。<br>それは、端で見ているアムロが（恋人？！）と錯覚するくらいに親密な雰囲気で、容姿がそっくりでなかったら誰もが恋人同士の抱擁、と思うくらいだった。<br>時折お互いを見交わしては優しい表情を浮かべる兄と妹に、余計な心配と軽い嫉妬をしてしまいそうで、アムロは気まずそうに声を掛けた。<br><br>「あのさ、ここで昔話もナンだから、取敢えず家に入ったらどうかな」<br>「え？あ、ああそうね、アムロ。さ、兄さん入って、今日から此処が貴方の家よ。アムロも」<br>「じゃあ荷物持って行くよ」<br>「いや、自分で持とう。私は病人ではないからな、そこまでして貰うわけにはいかない」<br>「今更水臭いことは言いっこなしだ、シャア」<br>「だが」<br>「ほら、セイラさんが待ってる。早く行きなよ」<br>「…すまない、アムロ君」<br>「その君ってのもいらない。俺が貴方を呼び捨てで呼んでるのに、貴方が君付けなんて可笑しいだろ？気にせず呼び捨てにしてくれ…頼むから」<br>「…了解した、アムロ」<br>「うん、そう。…ああ。何だかアウドムラを思い出すな」<br>「アウドムラ？確か、地球での反ティターンズ組織だったか？」<br>「そう。ハヤトがいてカイさんがいてカミーユがいて…おっとそれも入ってからにしよう、シャア」<br><br>ドア前で待つセイラの元にシャアを押し出してから、アムロはトランクに乗せていた荷物一つを持って、シャアの後に続く。<br>同じ時を味方として闘った仲間の顔が胸を過る。<br>元・ホワイトベースのクルー達は元気に暮していることだろう。<br>だが、宇宙に散った少年や仲間がいることも確かだった。<br>死に逝く運命の者と生きる運命の者。<br>その境界線がどう引かれるのかは知らないが、今こうして生きている自分達は、散っていった仲間によって生かされているのだ、とアムロには感じられた。<br>（ならば、精々生きながらえて見せるさ…シャアも一緒に。ララァもそう願うんだろう？）<br>シャアとセイラの眼の色のような空を一瞬眺め、アムロは玄関ドアを潜った。<br>アムロには、コロニーの浮かぶ宇宙で、懐かしい少女が嬉しそうに笑ったように思えた。<br><br> ]]>
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		<title>3</title>

		<description>シャアが昔の事を思い出したのは一瞬で、…</description>
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			<![CDATA[ シャアが昔の事を思い出したのは一瞬で、親しかった人々を何人か思い出したに過ぎなかった。自分が何者で（職業は思い出したらしいが）、どういう経緯を以って今に至るかは、シャアの中では未だ不明瞭なままだ。<br>アムロとセイラは慎重に言葉を選び、懸命に記憶の糸を手繰り寄せようとするシャアを宥めた。<br>性急に思い出し、精神に異常をきたしてしまっては何にもならない。<br>シャアはそこまで脆弱な精神の持ち主ではないが、常人には過酷過ぎる過去を持ち、己の意思を捻じ曲げてまで負の遺産を成し遂げようとした純粋なシャアを、無理矢理に追い詰めたくはない二人だった。<br>長い年月を経てやっと兄妹の生活を手にいれたのに、全て思い出してしまえば、又あの殺伐とした世界へシャアが戻ってしまうような恐怖感が拭えなかった。<br>優しい兄が他人を痛めつける姿を見て、『大嫌い』と泣きながら訴えた事が脳裏に甦る。<br>もう人を傷つけて欲しくない。シャアの心にも見えない傷が幾重にも重なり、ズタズタになっていくのが解るだけに、セイラの願いは切実だった。<br>「兄さん、無理に思い出そうとすると逆効果よ。さっきみたいに、何かの切欠で思い出すほうがいいのよ、無理しないで」<br>「そうだよシャア。いいじゃないか、ブライトやカミーユだけでも思い出したんなら上等さ。貴方は少しせっかちなところがあるからな、もっとのんびり構えた方が精神的にもいいよ。それに…今は食事中だろう？」<br>３人で食卓を囲みながら、ともすれば伏目がちになるシャアを、セイラとアムロは現実に引き戻す。アムロの言う通り、常に二手先、三手先を読みながら生きてきたシャアは、現在地に立ち止まり息をつくことをしない。今も、暖かい食事をそっちのけで物思いに耽ってしまうのだから、注意されても仕方がなかった。<br>「あ、ああ。そうだな、すまないアムロ」<br>「謝るなら俺じゃなくてセイラさんに。折角作ってくれたのにさ…ああ、いいよなシャアは！毎日こんな美味い食事できてさぁ！俺なんてほとんどジャンクフードだから羨ましい通り越して憎いよ、チクショウ！」<br>アムロはここから少し離れた街の中に独りで暮している。得意分野の機械いじりを職に選んだだけあって、短期間のうちに開発主任に抜擢されていた。<br>結構忙しいらしく、こうして３人で食事をするのも二週間ぶりだった。<br>「あら、アムロのことだから、作ってくれる人には困らないんじゃなくて？」<br>セイラが意味深に笑いながら返せば、アムロはとんでもないと言った風に顔を歪め、首を横に振った。<br>「そんな人いないよ、セイラさん。最近俺、ほとんど研究所の宿直室で寝泊りしてるんだよ？居るのは夜勤警備のオジサンだけさ。でもオジサン達は家から弁当持ってきたりするから、奥さんの美味しい料理を夜食に食ってたりするんだけど、俺はその辺で買って来たモンでしょ…侘しいったらないね、本当に」<br>「まぁそうだったの。それは失礼な事を言ったわ、ご免なさいねアムロ。でもね、兄さんも時々作ってくれるから、私が全部食事の支度しているんじゃなくてよ？」<br>「え。ええええ？シャアが？作れるの？ホントに？」<br>口に入れたばかりの肉片をゴクリと飲み込んで、素っ頓狂な声を上げるアムロに、持っていたカトラリーを置き、テーブルに両肘をついて手を組んだシャアがチラリと横目で見る。<br>「…なんだアムロ。黙って聞いていれば随分失礼な言種だな。私だって料理くらいは出来るぞ」<br>「そう。序でに掃除や洗濯もね、上手なものなのよ」<br>「へぇぇぇ～。シャアが、ねぇ」<br>物珍しそうに、まじまじと見つめてくるアムロの視線が忌々しい。<br>昔の自分はそんなに何もしなかったのか、と憤慨に陥る一歩手前で、当のアムロから同意の言葉が発せられた。<br>「あ、でもシャアは器用だし骨惜しみしない人だから、まとまった時間があればそういうの好きそうだね。一度、ぬかるみにはまったカートを引き出して貰ったことがあったよ。結構手馴れててさ…あの時はまだ」<br>ジオン軍の赤い軍服姿のシャアと、ワンピース姿のララァが浮かぶ。<br>運転手が未熟だから、とシャアは泥に汚れながらカートを引っ張ってくれたのだった。それが初めて、"赤い彗星のシャア"を視認した時だった。<br>そして、シャアをかばって自分の刃に斃れたララァの存在が、アムロの胸に郷愁を呼び起こす。<br>忘れたくても忘れられない、その為に宙へ上がることを頑なに拒んでいた過去が、鮮明に思い出されてくる。<br>けれど、苦しいだけだった過去が今は懐かしく思えるのは、ひとつの時代が終わりを告げた証拠なのだろう。<br>言葉をとぎらせたままのアムロに、「あの時は…どうしたのだ？」とシャアが先を促せば、アムロは浮かんだ苦笑を噛殺し悪戯っぽい笑みを張り付かせた。<br>「あの時は…まだシャアも若かったっけな～と思ってさ！！」<br>何となく事情を察したセイラがアムロを気遣わしげに見遣ると、アムロは微笑んで頷いた。<br>（もう俺はララァを吹っ切った。シャアを殺さず生かすことに決めた時、あの確執は昇華できたんだ）<br>だからこそこのひと時が在る。穏やかな日々の営みが在る。<br>今願うのはライバルを倒すことではなく、かつてのライバルと共に静かに穏やかに暮すこと…。<br>それが適うならばどんな困難にも立ち向かえる、とアムロは思っていた。<br>自分だけではなく、セイラもいてくれる事が心強かった。<br>「そのうちシャアも思い出すよ、昔の若い自分をね。どれだけ老成してたか自分で驚くと思うよ？楽しみだなー。ね、セイラさん」<br>「ふふっそうね…もしかしたら今より老けた言動してたかもしれないわね」<br>アムロと共にセイラも微笑う。<br>「ナンなんだ、一体。二人して私をからかうのか？そんなに老けていたのかね私は」<br>「「かなり」」<br>"木馬"において赤い彗星と死闘を演じた二人が、同時にはもって笑い出す。<br>セイラとアムロの楽しげな様子を見、シャアの顔にもいつしか笑顔が浮かんでいた。<br>食事が済み、場所をリビングに移してからデザートのケーキが出された。<br>「ほらシャア！貴方の好きなストロベリーのケーキ！」<br>お茶は自分が、とかって出たアムロが紅茶とケーキをサーブすると、シャアは苦虫を噛んだような顔で受け取った。<br>「兄さん、そんな顔してたら美味しくなくなってしまうわ。デザートは楽しく頂きましょ？」<br>「そうそう。評判の店のだからきっと美味いと思うよ…ほら食べて食べて」<br>両脇からせっつかれ、渋々ケーキを口に運んだシャアを覗き込むアムロ。<br>「…どう？」<br>心配げな表情が捨てられそうな子犬に思えて、シャアは思わず笑い出してしまった。<br>「ああ。美味いよ、ありがとう」<br>「そりゃ良かった。セイラさんも食べてる？」<br>「ええ、美味しく頂いてるわよ、アムロ」<br>「どれ、じゃあ俺も一口…。うん、美味い。ここのは当たりだな」<br>「じゃあ次もお願いね？」<br>「勿論！」<br><br><br>湖畔の一軒家ではその晩、遅くまで明りが灯り楽しげな笑い声が聞こえていた。<br><br> ]]>
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		<title>2</title>

		<description>僚機を撃墜したのか、僕を追うザクがもう…</description>
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			<![CDATA[ 僚機を撃墜したのか、僕を追うザクがもう一機増えた。挟み撃ちにするつもりか！？<br>新型なのに運動性であの赤いザクに勝てないのか？！<br>フルスロットルにして、右に左にロールしながら逃げる……と見せかけて、僕はエンジンを切った。<br>一気に速度も高度も落ちたガンダムを、ザク２機は追い抜き見失ったようで、接触ギリギリで互いに交差していった。<br>「…そんなことがあるかぁっ！！」<br>直ぐさまエンジン全開、急上昇で緑のザクの後方につき、ロックオンすると同時にサイドワインダーを叩き出す。<br><br><br>「なに？！」<br>一瞬見失った＜白い悪魔＞が、スレンダーの後方から急上昇してミサイルを撃ち込んだ。<br>『少佐殿！これです！この武器でアッシュ軍曹が…！』<br>「当たらなければどうとことはない！援護しろスレンダー！！」<br>『はい！』<br>＜白い悪魔＞と交差する瞬間を狙って、スレンダーがスパローミサイルを打ち出す。<br>主翼を掠めたミサイルが彼方の空へと飛んでいく。<br>「いいぞ、スレンダー！」<br><br><br>「やってくれる…！そこォッ！！」<br>機首を返して緑のザクにサイドワインダーを撃つと、熱源追尾ミサイルの性能通り、ザクのノズルから噴出する高熱を追って、どこまでも喰らいついていく。<br>どうやらフレアを標準装備していないらしく、小回りの効く＜ガラガラ蛇＞にとうとうザクは捕捉された。<br>喜んだのも束の間、今度は木っ端微塵に吹き飛んだザクをすり抜け、あの赤いザクが僕をロックオンした。<br><br><br>「スレンダー！！」<br>連邦のミサイルは逃げるスレンダーをどこまでも追いかけ、とうとう捕捉した。<br>一瞬で吹き飛んだザクの破片が海上に落ちていく。<br>そのなかに白いパラシュートは見当たらなかった。<br>「やつのミサイルは…熱源追尾システムを持つのか…小賢しいわ！！」<br>急反転し連邦機を追うと、目前のノズル目掛けてバルカンを放つ。<br>撃墜かと思った瞬間、補給艦からミサイルの一斉射があり、避けるだけで精一杯だった。<br>やはり…な。<br>ただの補給艦が聞いてあきれる…。<br>『-----シャア少佐、自軍機３機被弾、４機撃墜です！速やかに帰投して下さい！繰り返します、速やかに』<br>「管制、了解した。シャア少佐、帰投する」<br>敵機も撃墜されたろうがこちらの損害も大きく、作戦は失敗に終った…。<br>無線を切った私はあの新型機に撃ち落とされた部下の顔を思い浮かべる。<br>ジーン兵長、デニム曹長、アッシュ軍曹、スレンダー伍長…<br>「一度に４機もザクを失うとはな…ドズル中将に私は大目玉だ。認めたくないものだな…自分自身の、若さ故の過ちというものを…」<br>…見ていろ、新型機。<br>「沈めてやる…！今度遭ったときはな！！」<br><br><br>『ガンダム！アムロ！敵機、戦闘空域離脱！速やかに帰還して下さい！！』<br>戦闘濃度に散布されたミノフスキー粒子が薄まって、回線が繋がった途端にモニターにセイラさんが写った。<br>『アムロ、怪我はない？！』<br>「大丈夫です、ちょっと主翼にミサイル掠めちゃったけど…すいません！」<br>『いいのよ、アムロが無事なら。機体は修理できるわ』<br>「あの、味方機は…」<br>ああ…。セイラさんの表情で何となく解った。結構撃墜されたんだ…<br>『リュウ軍曹とジョブ・ジョン伍長、スレッガー中尉は無事よ！だから貴方も早く帰還して！」<br>「了解。アムロ、ホワイトベースに帰還します！」<br>碌に名前も知らないパイロット達が、たった数十分の間に撃墜されて洋上に散って逝ったと思うと、明日は我が身かもしれないと怖くなる。<br>でも、あの赤いザクにだけは撃ち落とされたくない！<br>＜赤い彗星のシャア＞にだけは、絶対負けたくない。僕は決意を誰にも聞かれたくなくて、無線スイッチをオフにした。<br>「いつかきっと貴方を倒す…シャア！」<br>この空中戦がなければ、僕はきっとホワイトベースを脱走していただろう。<br>軍法会議にかけられる前にシャアに出遭ったのは、僕にとっては良かったのかも、しれない。<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>後書…ジオン公国と連邦軍のパラレルSSです。シャアとアムロは戦闘機パイロット(笑)。MSの操縦も戦闘機も似たような感じかな～と思って書いてみましたが。<br>バルカン砲もスパローミサイルもサイドワインダーミサイルも実装備の兵器です。フレアというのも、サイドワインダーを誤追尾させる為のアルミニウム板のコト。<br>ザクは米海軍のF-14トムキャット、ガンダムは空自のF-15イーグル戦闘機をモデルに書いてます。因みにサイドワインダーとはガラガラ蛇のこと。補足です。<br>管理人の趣味丸出しのSSですが、お楽しみ頂けたら幸いです。 ]]>
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		<dc:date>2007-10-27T21:28:55+09:00</dc:date>
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		<title>2</title>

		<description>「え？気に入らない？」「ああ。私には、…</description>
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			<![CDATA[ 「え？気に入らない？」<br>「ああ。私には、君が拗ねているようにしか見えん」<br>（気に入らない？え、そうなのか？俺は…）<br>そう言われればそんな気もしてくるのが不思議だ。<br>確かに、自分の知らないシャアを見てちょっと苛ついたのは認める。誰との子供だ？！と嫉妬に似た感情が沸いたのも確かだ。<br>だが、自分が拗ねているとは考えもしなかった。<br>（ああ、なんだ。俺は…あの赤ん坊と同じで、シャアの意識が自分から逸れるのが厭だったのか…ってコレどういう感情だよ？！）<br>赤から青へ、見ている前で瞬く間に顔色を変えるアムロを、シャアは訝しげな表情で見守っていた。<br>やっと落ち着いたらしいアムロが、照れ臭そうに視線を外して俯いている。<br>珍しい光景もあるものだ、とアムロが聞いたら怒りそうなことを考えつつ、シャアはアムロの言葉を待っている。<br>「………ち、かもしれない…」<br>「ん？何と言った？」<br>聞き取れず再度促せば、真っ赤な顔で自分を睨むアムロ。ダンっとテーブルを叩き、<br>「だーかーらー！貴方が全然知らない人に見えて、でも何故か似合ってて可愛くて、無性に腹が立ったの！ヤキモチって言ったの！聞けよちゃんと！ニュータイプなんだから！」<br>顔から火が出る思いで正直に告げたのに、当の本人はどこまでも冷静沈着だった。この際回りは気にしない。そんなアムロに一つ溜息を零して、<br>「アムロ。確か君は一人っ子だったな？それではまるで弟妹が生まれて母親を取られた子供のようだぞ？それにこの場合ニュータイプは関係ない。それから」<br>「まだあるのかよ！」<br>言葉尻を奪い、心なしか僅かに潤んだ目のアムロに向って、シャアは優しく微笑んだ。<br>「君が小さな子供だったら、きっと同じようにしているさ。姿が変っても、忘れるなど金輪際有得んから心配は無用だ。安心したまえアムロ君」<br>そう宣言したシャアはまるで大天使ミカエルのようだった。<br>クワトロ大尉を名乗っていた時のような、少し長めの淡い金髪と透き通る様な青い目が余計にそう見せている。<br>総帥時代のオールバックよりも、アムロは今の髪型の方が好きだった。後ろに撫で付けた髪は、シャアを必要以上に老成させていたから。<br>一言で自分を舞い上がらせ、叩き伏せることもできるシャアは、時々大天使長で偶に堕天使の長。<br>ミカエルとルシファーを器用に使い分ける男に、ひとかどならぬ気持ちを持ってしまったらしい事実を、アムロは認めざるを得なかった。<br>（複雑な心境だけど…この人が居なければ今の俺は存在しないし、言い方変えれば一種の＜運命の人＞だよな…）<br>アンビバレンツなシャアは優雅にコーヒーを飲んでいる。<br>何をしていても様になるのは小憎たらしいが、一番心を許してくれているのは自分だという実感がある。<br>穏やかな雰囲気を纏いつつも、警戒心を解かないのがシャアだから。<br>赤ん坊に見せるような、無邪気な笑顔を無条件に見られるのは、彼の妹と自分だけだ。<br>そう思えば、もう些細な嫉妬を感じずに済みそうだった。<br><br><br>すっかり長居したティールームを出ると、日差しは大分弱くなっていた。<br>あと何時間もしないうちに夜の帳が落ちてくるだろう。<br>通りを行く人々も買い物帰りの主婦層が多く目につく。これから食事の支度をして、家族と一緒に団欒の時を持つのだろう。<br>昔から縁のなかった生活を今更欲しいとは思わない。<br>「アムロ。今日はこれから用事でも？」<br>「んー無いよ。連休だから酒でも買って帰ろうかと思ってる」<br>「では私に付き合わんか。アルテイシアは夜勤だし、一人で呑むより二人の方がいい。外で呑むかね？」<br>「じゃあウチに来る？此処からなら近いし」<br>「………」<br>「……何だよその無言は」<br>「無言で拒否したのだが」<br>「失礼だな、何が厭なんだ」<br>「呑む前に大掃除が必要だろう、君の家は」<br>「………」<br>図星だから反論出来なかった。<br>以前、忘れ物を届けに来たシャアが、あまりの散らかりように珍しく怒りながら、何時間もかけて片付けてくれたのだった。<br>以来シャアはアムロの家に行くのを躊躇するようになった。<br>だがアムロにしてみれば、あのシャアが、腕まくりをして埃まみれになりながら、掃除機をかける姿を気に入っていた。<br>もう一度あの姿を見られるかもと期待しただけに、ちょっと気落ちしたところに、<br>「では我家にご招待するとしようか。食事は私が作ろう、変りに酒代は君持ちでどうだ？」<br>と願ってもない提案が降って来て、正に天使と悪魔がそこに居るようだった。<br>セイラも交えての時は余り、といかほとんど羽目を外せない。<br>シャアに寄れば怖いお目付け役は夜勤でいない。<br>となれば、明日の朝、帰宅したセイラには叱られるだろうが、シャアも一緒に叱られるならどうってことはない。<br>というか、一度でいいから妹に叱られる兄を見てみたい、というささやかな欲求に勝てなかった。<br>「はい、異議なし」<br>「では、買い物して帰るとしよう」<br>「ああ、そうだね」<br>「そういえば、何故病院に居たのかまだ聞いていなかった」<br>「あ。忘れてた。昼間家に電話したら留守でさ、貴方にもかけたけど出なくてセイラさんに聞いたんだ。そしたら今こっちに向ってる筈だって言われて。で、追っかけて行ったんだよね。吃驚してすっかり忘れてたけど、晩飯の誘いに来たんだよ、俺」<br>「なんだ、では当初の目的は果たしたのだな？」<br>「そう、謀らずとも大天使ミカエルのお導きでね」<br>「大天使？珍しい単語を聞いたな、しかも君の口から」<br>「はは、何とでも。俺にはミカエルとルシファーの二人がついてるんでね、最強なんだよ」<br>「君が宗教的なことを言うとは思いもしなかったが…それでは天使と悪魔両方ではないか」<br>「うんそう。時々は天使が微笑んで偶に悪魔の囁きが聞こえるんだよ。楽しいだろう？」<br>いかにも楽しそうなアムロの表情に、シャアは無表情で答えた。<br>グラスの下に隠された目が、聞いてはいけなかったような色合いを浮かべていることに、アムロはまるっきり気付いていない。<br>「…パイロット時代に言わんでよかったな」<br>「なんで？」<br>僅かに低くなった声にも気づかない。アムロは上機嫌だった。<br>「危なくて乗せられないところだ」<br>「酷いね。でも当時は居なかったよ、そんな存在」<br>「ほう、ではいつから？」<br>「そうだな…最近かな気付いたのは」<br>「そうか。では、せいぜい悪魔に取り殺されないようにすることだ」<br>「大丈夫、死なば諸共だから。堕ちるトコまで一緒についていくから」<br>「…では私は、君が地獄に堕ちないよう見張っていよう。堕ちそうになったら引き摺り上げてやる」<br>「うん、そうしてくれ」<br>シャアは天使と悪魔が自分を指すとは夢にも思っていない。<br>日の暮れかかった通りを、車で走りながら他愛ない会話をする。<br>何でもない日常にシャアがいることが、とても嬉しく思えた。<br> ]]>
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		<dc:date>2007-10-29T23:32:22+09:00</dc:date>
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		<title>2</title>

		<description>「それで、この子なんだけどさ…」「誰かか…</description>
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			<![CDATA[ 「それで、この子なんだけどさ…」<br>「誰かから貰い手を捜すよう頼まれたのかね」<br>「…先に言うなよ」<br>「君の行動理念はとっくに掌握済なのでね。長い付き合いじゃないか、アムロ」<br>ニヤリと人の悪い笑みを浮かべ、シャアは続けた。<br>「大方、飼えそうな人に心当たりがある、とでも言ったのではないのかな？」<br>「………」<br>図星、だった。<br>職場の同僚から、子犬の引き取り手を捜して欲しいと頼まれたのは昨日。<br>件の子犬を見て真っ先に浮かんだのがシャアだ。<br>子犬の毛並を見た途端、暖炉の火を受けて、黄金色に輝く金髪を思い浮かべていた。<br>真っ黒なつぶらな瞳が、シャアの、滅多に見られないきょとんとした目に見えた。<br>そう思ったら居ても立っても居られず、半ばひったくるようにして同僚から預かって来た昨夜のアムロ。<br>甲斐々しく面倒を見て同じベッドで眠って。今朝も、きちんと朝ご飯を食べさせて散歩もしてから連れて来たのだった。<br>（シャアは断らない）<br>何故か確信に満ちてそう思うのが、自分でも不思議だった。<br><br>「お嬢さん。私が飼主でもいいのかな？」<br>シャアが子犬に話しかけている。金の子犬は嬉しそうにシャアの鼻面を舐めている。<br>「ワン！」<br>子犬が、アムロの方を見て吼えた。<br>まるで、『私、この人が気に入ったからここに居る！』とでも言うように。<br>「ほほう、彼女はきちんと自己主張が出来るようだ。私の傍がいいそうだよ、決まったなアムロ」<br>アムロが何も口にしないうちに、全てが丸く収まってしまっていた。<br>シャア言うところの＜お嬢さん＞は、すっかりシャアの腕のなかで寛いでいる。<br>大きくて綺麗な手で毛並を梳かれ、気持ち良さそうに目を閉じている。<br>（…なんか…良かったんだけどあんまり嬉しくない、かも…）<br>子犬に対してそんな嫉妬をしてしまうくらいに、シャアと子犬は似合っていた。<br><br><br><br>「名前はどうしようか。美人になりそうだから、綺麗な名前がいいだろう？うん？」<br>（そんな、恋人に話すようにしゃべるなって！）<br>「と言って、私の知る女性で美人は…いたかな…」<br>（アンタの妹は滅茶苦茶美人だろうがッ！！）<br>「…美人…クラウレさんは美人だったな。ふむ」<br>（え？ちょ、それってもしかしてハモンさんか？！ランバ・ラル大尉のとこの！）<br>「いや、子犬の名前にしたと解ったらあの世でラルに怒られそうだな…」<br>（そういうことを言うのか、アンタがッ？！無神論者のくせに！）<br>「イセリナ…これはガルマ坊やにぶっ飛ばされるのは確実か。尤も、坊やに負ける私ではないが」<br>（坊やって、アンタの同期じゃないのか？！いくらお坊ちゃん育ちでも！）<br>「エマ…はヘンケンが怒るだろうし、ファ…もカミーユに間違いなく修正されるだろうな」<br>（他にいないのか？！このたらし！！アンタなら女性なんてよりどりみどりだろうがッ！！）<br>アムロの心の叫びも虚しく、シャアは口元に笑みを刷きながら、楽しげに真剣に話しかけている。<br>子犬も又、シャアをじいっと見つめてまるで恋人同士が見詰め合っているようだ（と、アムロの目には映っている）。<br>暫く考え込んでいたシャアが、思いついたように顔を上げてアムロを見つめた。<br>その嬉しそうな顔といったら。アムロは多少げんなりした。<br><br><br>「アムロ、アストライアという名はどうだろう？」<br>「アストライア？」<br>心なしかシャアの目が潤んでいるように見える。<br>そんなに大事な人の名前なのか、と醜い嫉妬の渦が湧き上って苦しくなる。<br>「そうーーー。私とアルテイシアの母の名前だ。アルテイシアはそっくりなのだよ、母に」<br>（え。つーことはアナタもそっくりということじゃないんですか、元総帥。いいんですか、犬っころに大事なお母さんの名前つけて）<br>「ああ、いいかもしれないな。テキサスコロニーにあった空っぽの墓石には、母の名前さえも刻んでやれなかったのだよ。私達は、母の遺骨がサイド３のどこに埋葬されているのかも解らないのだ、アムロ。ジオン・ダイクンの妻というだけで、私達の母というだけで、不憫な後半生を送るしかなかった母への、せめてもの供養に…」<br>シャアは独り言のように話していた。<br>その青い目は遥か彼方の宇宙を見つめている。<br>子犬を撫でる優しい手はそのままで、宇宙の彼方にある筈の、今は亡き母の墓標へ向って話しかけているようだった。<br><br>「馬鹿な息子の我儘を、母さんは許してくれるだろう、きっと…」<br>「シャア…」<br>何も言えなかった。<br>散々心の中でつっこんでいた言葉も、何時の間にか消えてなくなっていた。<br>シャアに浮かぶ儚げな笑みが、どれほど母親を愛していたかを物語っていて、アムロの胸も切なくなった。<br>アムロとて母との縁は薄い。シャアの母を慕う気持ちも、アムロには痛いほど理解できる。まして、預かり知らぬところで起きた謀略に嵌り、不幸な別れ方をしたのなら尚更に。<br>「…セイラさんと貴方はお母さん似なんだね。吃驚するくらい綺麗な人だったんだろうね」<br>「アルテイシアは生き写しのようだよ。尤も彼女の方が逞しいが、それは半分以上私の所為だろうし」<br>「ナンだ、解ってるんじゃない」<br>「………」<br>自覚はあるのだろう、シャアは無言で受け止めた。<br>「でもさ、貴方をポンポンと叱り付けるセイラさんが好きだよ、俺。一生頭上がらないと思うね、俺達」<br>「確かに…。だがアルテイシアがどう言おうと、この子はアストライアにする。…いいかなお嬢さん。今から君の名前はアストライアだよ、気に入ったかい？」<br>「ワン！！」<br>シャアの気持ちを感じてか、それまで大人しくしていた子犬が、ふさふさの尻尾を千切れんばかりに振って喜びを表している。<br>「でもさー…お母さんの名前つけるなんて、貴方ひょっとしてマザコン？おまけにシスコンもあったりして、って、え。<br>ナニそんな怖い顔して…あれ、自覚なかったとか…？」<br>形の良い眉を不機嫌にひそめて、シャアはアムロを睨んでいる。<br>（うわ、怒った顔も綺麗なんだけど、セイラさんそっくりだ…。ああ、これじゃマザコンにシスコンにもなるよなぁ。<br>大体ララァを母になれるかもしれなかった、って言うくらいだから…）<br>その時ふと過った疑問。<br>（もしかして…ザビ家に復讐を誓ったのも、お母さんのことがあったからなのか…？）<br>聞かずとも解るような気がした。<br>シャアは優しい人だから。純粋な人だから。<br>きっと幼い心に刻み付けたのだろう、ザビ家のやりようを。<br>父を奪い、愛する母と引き離される原因を作ったやり方を、この聡明すぎた少年は、心魂深く刻み付けたに違いなかった。<br>遠くに離れていても、母のことを思わない日はなかったのだろうと、アムロは理解した。<br>小さな頃から、母と妹を護ろうと孤独な戦いを続けてきた孤独な少年を、アムロは無性に抱き締めたくなった。<br><br><br><br>そして、気がついたら行動に移していた。<br>「アムロ…？」<br>「ゴメン、ちょっとだけこうしてて」<br> ]]>
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