FREE AREA1
コチラは宇宙世紀、1st・z・CCA以降など。
メインはシャア様、セイラさんと友人兼恋人のようなアムロ、シャア様の愛犬が登場してます。
基本はほのぼの、偶に年齢制限有り。温いですが一応忠告。
メインはシャア様、セイラさんと友人兼恋人のようなアムロ、シャア様の愛犬が登場してます。
基本はほのぼの、偶に年齢制限有り。温いですが一応忠告。
シャアの脱出ポッドを伴ってアムロが生還を果たした時、シャアは一切の記憶を失っていた。
サザビーの装甲と、アムロの扱うνガンダムが辛くもシャアの命を護ったのだった。
極秘でロンド・ベルの医療機関に搬送されたシャアは、アムロの見守る中で二週間も昏睡状態を続け、漸く意識を取り戻した時には、それまでの記憶を手放していた。
アムロが病室に入ると、そこには透き通る蒼い目を眩しげに細め、穏やかな表情で自分を見つめるシャアがいた。
思わず見蕩れてしまうような表情を浮かべていた。
そして僅かに首を傾げると、低い落ち着いた声でこう言ったのだ。
「…君は、誰だい?」
その第一声を耳にして、アムロは自分の足許が崩れ奈落の底に落ちて行くような気持ちがした。
もう一度
病室で、アムロは震える声と足を叱咤しつつシャアに名を告げ、自分は君の古い友人だと話した。
シャアはまるで疑いもせずにそれを信じ、目許と口元を綻ばせて綺麗な笑みを浮かべた。
「アムロ君と言ったな。それで、私の名は何と言うのだ?どうやら私は自分の事は勿論、君の事も忘れているらしい。すまないが、何があって記憶を失ったのかも教えて貰えると有難い」
記憶喪失とは思えない程、落ち着き払った態度と声音はかつてのシャアを彷彿させるものだったが、纏う雰囲気は明らかに違う。
隠され続けたシャアの本来の姿が、辛い記憶を失ったために深層意識から浮上したのかもしれない。
思いも寄らない展開に二の句が告げられず、立ち尽くすアムロを見かねて担当医が助け舟を出してくれた。
「いけませんな、貴方はまだ意識を取り戻したばかりだ。事故に遭って二週間も昏睡状態だったのですよ?今はまだゆっくり休まなければ」
起き上がっているシャアを、担当医自らがベッドに戻しつける。
「事故?二週間も眠っていたのですか?」
「ええ。かなり酷い事故でしたが、幸い大した怪我もなく、意識だけが戻らなかったのです。だから一度に考えると体によくない。今日はもう休んだ方がいい」
「そうでしたか。記憶が無い以外に異常は感じないが…仰る通りにしましょう。アムロ君」
急に名を呼ばれ、アムロは我に返った。
「な、なんだい?シャ…」
ここでシャアと呼びかけていいものかどうか迷い、判断をつきかねたアムロは口ごもる。
シャアにとって、今迄の記憶は幸せなものではなかったろう。
むしろ綺麗さっぱり忘れてしまったほうが幸せなのではないか、そう思うと、復讐の鬼に身をやつした時代の名で呼ぶことが躊躇われた。
そんなアムロを不思議そうに眺めたシャアは、
「もし良ければだが…明日も来てくれないか。私は自分の事を思い出したい。君と話していれば、何かのとっかかりを見つけられそうな気がする」
「あ、ああ…。時間はわからないが、必ず来るよ。だから」
「ありがとう。楽しみにしているよ、アムロ君」
担当医に促され静かに病室を後にしたアムロは、誰もいない医局に入るなり担当医を問い詰めたのだった。
「先生…!彼の状態は…!?」
「明日、詳しく検査をしてみないと解りませんが…記憶喪失のようです。脳波に異常は見られなかったから、自己防衛の一種の現実逃避かもしれません」
「現実逃避…」
「患者には思い出したくない辛い記憶でも?」
「心当たりは有り過ぎます…もし自分が彼の立場だったら、あそこまで峻烈に生きてはこれなかったでしょうから」
「思い出さない方が幸せ、ですか」
「それは…。思い出せばまた彼は苦しむでしょう。自ら課せた義務を果たす為に、自分を犠牲にすることを厭わない男ですから…」
「ですが彼は記憶を取り戻したいと思っている。明日はきっと、名前や生い立ち等を詳細に聞かれることと思いますよ?」
「ええ、そうでしょうね…先生はどうしたらいいと思いますか」
「そうですね…見た所、患者は非常に冷静です。取り乱しもせず、雰囲気も表情も穏やかだ。状況判断も申し分ない。何を聞いても冷静に受け止めるでしょう。正直に話すほうがいいのではありませんか」
自分でもそう思う。
だが、折角あんな綺麗な笑顔を浮かべるシャアから、笑顔を奪うようなマネをしたくないと思う自分もいた。
それほど、シャアの笑顔はアムロの心を捉えて離さなかった。
始めは仇敵として、次は仲間として、そして又敵として闘ったシャア。
シャアの生い立ちは全部とは言わないが知っている。
キャスバル・レム・ダイクンからセイラと同じマス家の名を経て、ジオンの赤い彗星シャア・アズナブルを名乗り、エゥーゴでのクワトロ・バジーナからネオ・ジオンのシャアへ---
アムロからすればシャアはいつまでたってもシャア、である。
だが、本名を教えるべきか、最愛の妹と同じ名を教えるべきか、もっとも名乗った時間の長い名を教えるべきかが解らない。
「シャアは、どの名前を愛していたんだろう…」
ポツリと洩らした呟きに、担当医が方眉を上げてみせる。
「アムロ大尉。貴方はどの名前が一番患者らしいと思うのです?」
「それは勿論シャア・アズナブルです。私の前に現れた時は既に赤い彗星のシャア、でしたから。他人のいない場所ではそう呼んでいましたし、彼も異を唱えなかった」
「ではそれでいいのではありませんか?ここを出たらそうはいかないでしょうが、患者が一番知りたい名前は、貴方が一番知っているような気がしますよ。患者の貴方に対する態度には、微塵も疑いや躊躇が感じられなかった。貴方の言葉を素直に信じていた。これは、患者が貴方の事を心の底で信じているからだ、と私は思うのですが…。ですから私は、」
担当医は一瞬間を置き、告げた。
「彼は、貴方が呼ぶ名前を欲しているのではありませんか」
その一言で、アムロの心は固まった。
サザビーの装甲と、アムロの扱うνガンダムが辛くもシャアの命を護ったのだった。
極秘でロンド・ベルの医療機関に搬送されたシャアは、アムロの見守る中で二週間も昏睡状態を続け、漸く意識を取り戻した時には、それまでの記憶を手放していた。
アムロが病室に入ると、そこには透き通る蒼い目を眩しげに細め、穏やかな表情で自分を見つめるシャアがいた。
思わず見蕩れてしまうような表情を浮かべていた。
そして僅かに首を傾げると、低い落ち着いた声でこう言ったのだ。
「…君は、誰だい?」
その第一声を耳にして、アムロは自分の足許が崩れ奈落の底に落ちて行くような気持ちがした。
もう一度
病室で、アムロは震える声と足を叱咤しつつシャアに名を告げ、自分は君の古い友人だと話した。
シャアはまるで疑いもせずにそれを信じ、目許と口元を綻ばせて綺麗な笑みを浮かべた。
「アムロ君と言ったな。それで、私の名は何と言うのだ?どうやら私は自分の事は勿論、君の事も忘れているらしい。すまないが、何があって記憶を失ったのかも教えて貰えると有難い」
記憶喪失とは思えない程、落ち着き払った態度と声音はかつてのシャアを彷彿させるものだったが、纏う雰囲気は明らかに違う。
隠され続けたシャアの本来の姿が、辛い記憶を失ったために深層意識から浮上したのかもしれない。
思いも寄らない展開に二の句が告げられず、立ち尽くすアムロを見かねて担当医が助け舟を出してくれた。
「いけませんな、貴方はまだ意識を取り戻したばかりだ。事故に遭って二週間も昏睡状態だったのですよ?今はまだゆっくり休まなければ」
起き上がっているシャアを、担当医自らがベッドに戻しつける。
「事故?二週間も眠っていたのですか?」
「ええ。かなり酷い事故でしたが、幸い大した怪我もなく、意識だけが戻らなかったのです。だから一度に考えると体によくない。今日はもう休んだ方がいい」
「そうでしたか。記憶が無い以外に異常は感じないが…仰る通りにしましょう。アムロ君」
急に名を呼ばれ、アムロは我に返った。
「な、なんだい?シャ…」
ここでシャアと呼びかけていいものかどうか迷い、判断をつきかねたアムロは口ごもる。
シャアにとって、今迄の記憶は幸せなものではなかったろう。
むしろ綺麗さっぱり忘れてしまったほうが幸せなのではないか、そう思うと、復讐の鬼に身をやつした時代の名で呼ぶことが躊躇われた。
そんなアムロを不思議そうに眺めたシャアは、
「もし良ければだが…明日も来てくれないか。私は自分の事を思い出したい。君と話していれば、何かのとっかかりを見つけられそうな気がする」
「あ、ああ…。時間はわからないが、必ず来るよ。だから」
「ありがとう。楽しみにしているよ、アムロ君」
担当医に促され静かに病室を後にしたアムロは、誰もいない医局に入るなり担当医を問い詰めたのだった。
「先生…!彼の状態は…!?」
「明日、詳しく検査をしてみないと解りませんが…記憶喪失のようです。脳波に異常は見られなかったから、自己防衛の一種の現実逃避かもしれません」
「現実逃避…」
「患者には思い出したくない辛い記憶でも?」
「心当たりは有り過ぎます…もし自分が彼の立場だったら、あそこまで峻烈に生きてはこれなかったでしょうから」
「思い出さない方が幸せ、ですか」
「それは…。思い出せばまた彼は苦しむでしょう。自ら課せた義務を果たす為に、自分を犠牲にすることを厭わない男ですから…」
「ですが彼は記憶を取り戻したいと思っている。明日はきっと、名前や生い立ち等を詳細に聞かれることと思いますよ?」
「ええ、そうでしょうね…先生はどうしたらいいと思いますか」
「そうですね…見た所、患者は非常に冷静です。取り乱しもせず、雰囲気も表情も穏やかだ。状況判断も申し分ない。何を聞いても冷静に受け止めるでしょう。正直に話すほうがいいのではありませんか」
自分でもそう思う。
だが、折角あんな綺麗な笑顔を浮かべるシャアから、笑顔を奪うようなマネをしたくないと思う自分もいた。
それほど、シャアの笑顔はアムロの心を捉えて離さなかった。
始めは仇敵として、次は仲間として、そして又敵として闘ったシャア。
シャアの生い立ちは全部とは言わないが知っている。
キャスバル・レム・ダイクンからセイラと同じマス家の名を経て、ジオンの赤い彗星シャア・アズナブルを名乗り、エゥーゴでのクワトロ・バジーナからネオ・ジオンのシャアへ---
アムロからすればシャアはいつまでたってもシャア、である。
だが、本名を教えるべきか、最愛の妹と同じ名を教えるべきか、もっとも名乗った時間の長い名を教えるべきかが解らない。
「シャアは、どの名前を愛していたんだろう…」
ポツリと洩らした呟きに、担当医が方眉を上げてみせる。
「アムロ大尉。貴方はどの名前が一番患者らしいと思うのです?」
「それは勿論シャア・アズナブルです。私の前に現れた時は既に赤い彗星のシャア、でしたから。他人のいない場所ではそう呼んでいましたし、彼も異を唱えなかった」
「ではそれでいいのではありませんか?ここを出たらそうはいかないでしょうが、患者が一番知りたい名前は、貴方が一番知っているような気がしますよ。患者の貴方に対する態度には、微塵も疑いや躊躇が感じられなかった。貴方の言葉を素直に信じていた。これは、患者が貴方の事を心の底で信じているからだ、と私は思うのですが…。ですから私は、」
担当医は一瞬間を置き、告げた。
「彼は、貴方が呼ぶ名前を欲しているのではありませんか」
その一言で、アムロの心は固まった。
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