FREE AREA1
コチラは宇宙世紀、1st・z・CCA以降など。
メインはシャア様、セイラさんと友人兼恋人のようなアムロ、シャア様の愛犬が登場してます。
基本はほのぼの、偶に年齢制限有り。温いですが一応忠告。
メインはシャア様、セイラさんと友人兼恋人のようなアムロ、シャア様の愛犬が登場してます。
基本はほのぼの、偶に年齢制限有り。温いですが一応忠告。
「兄さん!キャスバル兄さん!!」
自分と同じハニーブロンドの髪が揺れて、シャアの頬を擽る。
抱きとめたセイラの肩が微かに震えていて、顔は見えなくとも泣いているのだと解った。
自分の胸の中で声を出さずに泣く妹。
号泣出来ないほど自分は心配をかけていたのだと思うと、胸が痛くなった。
なのに、顔も名前も思い出せない自分が不甲斐無く、シャアは初めて記憶喪失である自分を呪った。
「…私は、君を何と呼んでいた?セイラ?それとも」
「…アルテイシア、よ。兄さん」
出来うる限り優しい声音で恐る恐る尋ねてみれば、セイラは泣き濡れた顔を上げて自分を見上げてきた。
彼女は、鏡に映した自分とよく似ていた。
髪の色も、空を映した蒼い眼も自分と同じもので、誰が見ても自分達は血が繋がっていると解るだろう。
切れ長の眼から大きな涙が零れ落ちる。
シャアはそっと指先でそれを拭い、柔らかな髪を指に絡めた。
「兄さん?」
「アルテイシア…本当に私に似ているのだな。アムロ君に聞いてはいたが…初めましてと言うべきか、ただいまと言うべきか、どちらがいいのだろう?」
「ただいま、に決まっているでしょう?何年会っていないと思って?生死不明・行方不明になって14年よ、兄さん…コロニーで私を置いて行ってからは17年にもなるのよ…?その間、何度死んだと聞かされたか知れないわ。両親もなくたった一人の肉親なのに…いつだって兄さんは私を置き去りにしてきたんですからね、もう絶対逃がさないんだから…そして今度は、私が兄さんに沢山心配掛けてあげるんだから…!」
そう言って、セイラは笑みを浮かべた。
それは泣き笑いにしかならなかったが、シャアにもアムロにも綺麗な笑顔に感じられた。
「すまなかった、アルテイシア」
「もう一言、足りないわ」
「……た、だいま」
「お帰りなさい兄さん。ずっとずっと待っていたわ」
何となく、昔泣いている女の子をこうして抱き締めたように思えて、シャアはセイラをそっと抱き締めた。
甘えるように胸に縋るセイラの髪を、シャアは愛しげに何度も撫でていた。
それは、端で見ているアムロが(恋人?!)と錯覚するくらいに親密な雰囲気で、容姿がそっくりでなかったら誰もが恋人同士の抱擁、と思うくらいだった。
時折お互いを見交わしては優しい表情を浮かべる兄と妹に、余計な心配と軽い嫉妬をしてしまいそうで、アムロは気まずそうに声を掛けた。
「あのさ、ここで昔話もナンだから、取敢えず家に入ったらどうかな」
「え?あ、ああそうね、アムロ。さ、兄さん入って、今日から此処が貴方の家よ。アムロも」
「じゃあ荷物持って行くよ」
「いや、自分で持とう。私は病人ではないからな、そこまでして貰うわけにはいかない」
「今更水臭いことは言いっこなしだ、シャア」
「だが」
「ほら、セイラさんが待ってる。早く行きなよ」
「…すまない、アムロ君」
「その君ってのもいらない。俺が貴方を呼び捨てで呼んでるのに、貴方が君付けなんて可笑しいだろ?気にせず呼び捨てにしてくれ…頼むから」
「…了解した、アムロ」
「うん、そう。…ああ。何だかアウドムラを思い出すな」
「アウドムラ?確か、地球での反ティターンズ組織だったか?」
「そう。ハヤトがいてカイさんがいてカミーユがいて…おっとそれも入ってからにしよう、シャア」
ドア前で待つセイラの元にシャアを押し出してから、アムロはトランクに乗せていた荷物一つを持って、シャアの後に続く。
同じ時を味方として闘った仲間の顔が胸を過る。
元・ホワイトベースのクルー達は元気に暮していることだろう。
だが、宇宙に散った少年や仲間がいることも確かだった。
死に逝く運命の者と生きる運命の者。
その境界線がどう引かれるのかは知らないが、今こうして生きている自分達は、散っていった仲間によって生かされているのだ、とアムロには感じられた。
(ならば、精々生きながらえて見せるさ…シャアも一緒に。ララァもそう願うんだろう?)
シャアとセイラの眼の色のような空を一瞬眺め、アムロは玄関ドアを潜った。
アムロには、コロニーの浮かぶ宇宙で、懐かしい少女が嬉しそうに笑ったように思えた。
自分と同じハニーブロンドの髪が揺れて、シャアの頬を擽る。
抱きとめたセイラの肩が微かに震えていて、顔は見えなくとも泣いているのだと解った。
自分の胸の中で声を出さずに泣く妹。
号泣出来ないほど自分は心配をかけていたのだと思うと、胸が痛くなった。
なのに、顔も名前も思い出せない自分が不甲斐無く、シャアは初めて記憶喪失である自分を呪った。
「…私は、君を何と呼んでいた?セイラ?それとも」
「…アルテイシア、よ。兄さん」
出来うる限り優しい声音で恐る恐る尋ねてみれば、セイラは泣き濡れた顔を上げて自分を見上げてきた。
彼女は、鏡に映した自分とよく似ていた。
髪の色も、空を映した蒼い眼も自分と同じもので、誰が見ても自分達は血が繋がっていると解るだろう。
切れ長の眼から大きな涙が零れ落ちる。
シャアはそっと指先でそれを拭い、柔らかな髪を指に絡めた。
「兄さん?」
「アルテイシア…本当に私に似ているのだな。アムロ君に聞いてはいたが…初めましてと言うべきか、ただいまと言うべきか、どちらがいいのだろう?」
「ただいま、に決まっているでしょう?何年会っていないと思って?生死不明・行方不明になって14年よ、兄さん…コロニーで私を置いて行ってからは17年にもなるのよ…?その間、何度死んだと聞かされたか知れないわ。両親もなくたった一人の肉親なのに…いつだって兄さんは私を置き去りにしてきたんですからね、もう絶対逃がさないんだから…そして今度は、私が兄さんに沢山心配掛けてあげるんだから…!」
そう言って、セイラは笑みを浮かべた。
それは泣き笑いにしかならなかったが、シャアにもアムロにも綺麗な笑顔に感じられた。
「すまなかった、アルテイシア」
「もう一言、足りないわ」
「……た、だいま」
「お帰りなさい兄さん。ずっとずっと待っていたわ」
何となく、昔泣いている女の子をこうして抱き締めたように思えて、シャアはセイラをそっと抱き締めた。
甘えるように胸に縋るセイラの髪を、シャアは愛しげに何度も撫でていた。
それは、端で見ているアムロが(恋人?!)と錯覚するくらいに親密な雰囲気で、容姿がそっくりでなかったら誰もが恋人同士の抱擁、と思うくらいだった。
時折お互いを見交わしては優しい表情を浮かべる兄と妹に、余計な心配と軽い嫉妬をしてしまいそうで、アムロは気まずそうに声を掛けた。
「あのさ、ここで昔話もナンだから、取敢えず家に入ったらどうかな」
「え?あ、ああそうね、アムロ。さ、兄さん入って、今日から此処が貴方の家よ。アムロも」
「じゃあ荷物持って行くよ」
「いや、自分で持とう。私は病人ではないからな、そこまでして貰うわけにはいかない」
「今更水臭いことは言いっこなしだ、シャア」
「だが」
「ほら、セイラさんが待ってる。早く行きなよ」
「…すまない、アムロ君」
「その君ってのもいらない。俺が貴方を呼び捨てで呼んでるのに、貴方が君付けなんて可笑しいだろ?気にせず呼び捨てにしてくれ…頼むから」
「…了解した、アムロ」
「うん、そう。…ああ。何だかアウドムラを思い出すな」
「アウドムラ?確か、地球での反ティターンズ組織だったか?」
「そう。ハヤトがいてカイさんがいてカミーユがいて…おっとそれも入ってからにしよう、シャア」
ドア前で待つセイラの元にシャアを押し出してから、アムロはトランクに乗せていた荷物一つを持って、シャアの後に続く。
同じ時を味方として闘った仲間の顔が胸を過る。
元・ホワイトベースのクルー達は元気に暮していることだろう。
だが、宇宙に散った少年や仲間がいることも確かだった。
死に逝く運命の者と生きる運命の者。
その境界線がどう引かれるのかは知らないが、今こうして生きている自分達は、散っていった仲間によって生かされているのだ、とアムロには感じられた。
(ならば、精々生きながらえて見せるさ…シャアも一緒に。ララァもそう願うんだろう?)
シャアとセイラの眼の色のような空を一瞬眺め、アムロは玄関ドアを潜った。
アムロには、コロニーの浮かぶ宇宙で、懐かしい少女が嬉しそうに笑ったように思えた。
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