FREE AREA1
コチラは宇宙世紀、1st・z・CCA以降など。
メインはシャア様、セイラさんと友人兼恋人のようなアムロ、シャア様の愛犬が登場してます。
基本はほのぼの、偶に年齢制限有り。温いですが一応忠告。
メインはシャア様、セイラさんと友人兼恋人のようなアムロ、シャア様の愛犬が登場してます。
基本はほのぼの、偶に年齢制限有り。温いですが一応忠告。
満月を十五夜と呼び、食物や季節の草花を備えて愛でる風習が東洋にある、と患者から聞いてきたセイラが、あやかりたいと庭にテーブルと椅子を持ち出したのは、シャアが散歩から帰って直ぐだった。
コロニー生活では月など拝めようもないが、人工的に作り出される夜空をのんびり眺めるのも悪くは無いと、シャアもセイラに同意した。
当然アムロにも声をかけたのだが、残業中ということで兄妹水入らずとなった。
気象管理システムも次第に秋の様相を深めており、日中の服装では肌寒さを感じる。
シャアはカシミヤのカーディガンを、セイラも大判のストールを羽織っていた。
テーブルの上にはアップルパイと紅茶の茶器が並び、白いカップからは湯気が緩く立ち昇っている。
シャアはソーサーごと手に取ると、熱い紅茶をゆっくり啜った。
長い指が優雅に動き、流れるような所作でテーブルに戻す。
その一連の動きを何とはなしに見つめていたセイラは、人生の半分以上を軍人として過ごしていた兄の、抜けきらない育ちの良さを感じて僅かに口元を緩めた。
「可笑しいかな?アルテイシア」
見ていないようでしっかり目の端に捉えている兄に、また笑いが込み上げる。
グラスを外したシャアの、自分と同じ青い目が穏やかな光を浮かべている。
「軍歴が長い割には所作が優雅でちょっと吃驚したのよ。変らないわね、兄さん」
「そうかな?そんな事はないと思うが…」
まだエドワウ・マスを名乗っていた頃、同年の親友だった本物のシャア・アズナブルと比べると、シャアは格段に丁寧で優雅に食事をしていたのを思い出す。
幼い頃から、両親にマナーはきっちり躾られていた二人だった。
「今迄何も言われなかった?」
「アムロにはそんな事も言われたような気がするが」
「なんて?」
「確か…「「シャアっていかにも育ちが良いって感じするよな」」
シャアの声に被さるように、アムロの声が聞こえた。
振り向いた二人の目に、何時の間にか傍に来ていたアムロの姿が映った。
「まあ、アムロ!来られないんじゃなかったの?」
「こんばんは、セイラさん。だって折角の呼び出しだろ?フルスピードで終したんだよ、勿論。やぁシャア、久し振りだね」
「元気そうだな。どうやらちゃんと食事は摂っていると見える。そろそろ来るだろうと思っていた」
「流石だね。ま、何とか3食摂るようにはしてるよ」
「それはいい事だわアムロ。待っていて、今椅子を」
「私が行こう。君はそこにいる欠食児童にお茶の準備を」
「うわ、20代後半捕まえて欠食児童とは酷いな」
アムロの愚痴にすまんな、と快活な笑いで返し、シャアは室内に入っていった。
その後姿を見送ってセイラも腰を上げ、暫しアムロを見つめる。
「最近よく笑うのよ、兄さん。アムロのお陰だわ、ありがとう」
セイラの笑みは、面差が良く似ている所為かシャア本人に笑いかけられているような錯覚を起こし、胸が締め付けられるような心地がする。
何故か少年兵だった頃の淡い初恋を思い出し、慌てて否定することもあった。
最近だが、シャアの優しげな笑顔を見ると急に胸が苦しくなる時がある。
不整脈のように心臓がどくりと震え、同時に強い力で心臓を握り締められるような息苦しさを覚えるのだ。
それがどういう感情なのか。
知っている気もするが、アムロは態と考えないようにしていた。
知ってしまえば迷う。知らなければ自分の不可解な感情に迷うことも、悩むこともない。
あの当時のシャアは最大の敵であり、倒すべき"目標"でもあった。
明らかに当時とは異なる自分の感情に、アムロは見ない振りを決め込んでいた。
それでなくとも、かつての仇敵とこうして過ごす時間を待ち望んでいる自分が、我乍ら可笑しくもあり不思議でもあるのだから。
「俺は何もしてないよ…それはシャアの努力だ」
以前、カラバで束の間一緒にいた時のことが思い出される。
ふと見かけるシャアはいつも"何か"をしていた。
それは百式やリック・ディアス、MK-Ⅱの整備だったり、メカニックへのアドバイスや子供達の世話だったり…時には艦橋でハヤトの代わりに陣頭指揮していることもあった。
絶えず動いているシャアを見て、(いつ休んでいるんだ?)と心配していたのも事実だ。
人一倍努力家な天才…密かにアムロはシャアをそう評している。
こうして近しい存在になってみると、思い浮かべていた<赤い彗星>の冷酷なイメージが音を立てて崩れていく。
それは厭なことではなく、むしろ胸に暖かいものが満ちてくるのを感じることが出来た。
「シャアは努力家だ。そうだろう?セイラさん」
「…ええ。自己犠牲を厭わない努力家、だわ。馬鹿がつくくらい」
シャアに聞こえないようにひっそりと笑いあうと、セイラもお茶の準備をする為に家へと入って行った。
妹の兄に対する辛辣な、でも愛情の感じられる評価に、アムロは噴出しながらその背を見送った。
コロニー生活では月など拝めようもないが、人工的に作り出される夜空をのんびり眺めるのも悪くは無いと、シャアもセイラに同意した。
当然アムロにも声をかけたのだが、残業中ということで兄妹水入らずとなった。
気象管理システムも次第に秋の様相を深めており、日中の服装では肌寒さを感じる。
シャアはカシミヤのカーディガンを、セイラも大判のストールを羽織っていた。
テーブルの上にはアップルパイと紅茶の茶器が並び、白いカップからは湯気が緩く立ち昇っている。
シャアはソーサーごと手に取ると、熱い紅茶をゆっくり啜った。
長い指が優雅に動き、流れるような所作でテーブルに戻す。
その一連の動きを何とはなしに見つめていたセイラは、人生の半分以上を軍人として過ごしていた兄の、抜けきらない育ちの良さを感じて僅かに口元を緩めた。
「可笑しいかな?アルテイシア」
見ていないようでしっかり目の端に捉えている兄に、また笑いが込み上げる。
グラスを外したシャアの、自分と同じ青い目が穏やかな光を浮かべている。
「軍歴が長い割には所作が優雅でちょっと吃驚したのよ。変らないわね、兄さん」
「そうかな?そんな事はないと思うが…」
まだエドワウ・マスを名乗っていた頃、同年の親友だった本物のシャア・アズナブルと比べると、シャアは格段に丁寧で優雅に食事をしていたのを思い出す。
幼い頃から、両親にマナーはきっちり躾られていた二人だった。
「今迄何も言われなかった?」
「アムロにはそんな事も言われたような気がするが」
「なんて?」
「確か…「「シャアっていかにも育ちが良いって感じするよな」」
シャアの声に被さるように、アムロの声が聞こえた。
振り向いた二人の目に、何時の間にか傍に来ていたアムロの姿が映った。
「まあ、アムロ!来られないんじゃなかったの?」
「こんばんは、セイラさん。だって折角の呼び出しだろ?フルスピードで終したんだよ、勿論。やぁシャア、久し振りだね」
「元気そうだな。どうやらちゃんと食事は摂っていると見える。そろそろ来るだろうと思っていた」
「流石だね。ま、何とか3食摂るようにはしてるよ」
「それはいい事だわアムロ。待っていて、今椅子を」
「私が行こう。君はそこにいる欠食児童にお茶の準備を」
「うわ、20代後半捕まえて欠食児童とは酷いな」
アムロの愚痴にすまんな、と快活な笑いで返し、シャアは室内に入っていった。
その後姿を見送ってセイラも腰を上げ、暫しアムロを見つめる。
「最近よく笑うのよ、兄さん。アムロのお陰だわ、ありがとう」
セイラの笑みは、面差が良く似ている所為かシャア本人に笑いかけられているような錯覚を起こし、胸が締め付けられるような心地がする。
何故か少年兵だった頃の淡い初恋を思い出し、慌てて否定することもあった。
最近だが、シャアの優しげな笑顔を見ると急に胸が苦しくなる時がある。
不整脈のように心臓がどくりと震え、同時に強い力で心臓を握り締められるような息苦しさを覚えるのだ。
それがどういう感情なのか。
知っている気もするが、アムロは態と考えないようにしていた。
知ってしまえば迷う。知らなければ自分の不可解な感情に迷うことも、悩むこともない。
あの当時のシャアは最大の敵であり、倒すべき"目標"でもあった。
明らかに当時とは異なる自分の感情に、アムロは見ない振りを決め込んでいた。
それでなくとも、かつての仇敵とこうして過ごす時間を待ち望んでいる自分が、我乍ら可笑しくもあり不思議でもあるのだから。
「俺は何もしてないよ…それはシャアの努力だ」
以前、カラバで束の間一緒にいた時のことが思い出される。
ふと見かけるシャアはいつも"何か"をしていた。
それは百式やリック・ディアス、MK-Ⅱの整備だったり、メカニックへのアドバイスや子供達の世話だったり…時には艦橋でハヤトの代わりに陣頭指揮していることもあった。
絶えず動いているシャアを見て、(いつ休んでいるんだ?)と心配していたのも事実だ。
人一倍努力家な天才…密かにアムロはシャアをそう評している。
こうして近しい存在になってみると、思い浮かべていた<赤い彗星>の冷酷なイメージが音を立てて崩れていく。
それは厭なことではなく、むしろ胸に暖かいものが満ちてくるのを感じることが出来た。
「シャアは努力家だ。そうだろう?セイラさん」
「…ええ。自己犠牲を厭わない努力家、だわ。馬鹿がつくくらい」
シャアに聞こえないようにひっそりと笑いあうと、セイラもお茶の準備をする為に家へと入って行った。
妹の兄に対する辛辣な、でも愛情の感じられる評価に、アムロは噴出しながらその背を見送った。
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